
「タバコ、そろそろやめなきゃな…」
そう思いながら、また一本火をつけてしまう——
それ、あなた一人じゃありません。
禁煙を成功させるのは、思っているよりも大変なことです。
でも、もし“スマホで完結できる禁煙治療”があるとしたら?
今回は、喫煙のリスクと禁煙のメリット、そして話題の【オンライン禁煙外来】について、解説します。

🟧第1章:タバコが身体に与える影響

「タバコ=肺がん」というイメージを持っている方は多いと思います。
しかし、喫煙の害は決して“肺だけ”にとどまりません。
実際、タバコが原因となって引き起こされる疾患は全身に及ぶのです。
●肺だけじゃない、全身に広がるリスク
タバコの煙には、約70種類以上の発がん性物質が含まれています。これらは肺を直接攻撃するだけでなく、血液に溶け込んで全身の臓器をむしばみます。
以下は喫煙によってリスクが高まる代表的な疾患です:
- 心筋梗塞・脳梗塞
→ 血管がダメージを受け、血栓ができやすくなります。 - 胃がん・大腸がん・膵がん
→ 消化器癌のリスクも喫煙により有意に増加。 - 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
→ 呼吸が苦しくなる進行性の肺の病気。日本では約530万人が罹患と推定されています。 - 勃起不全(ED)
→ 血管の障害による血流低下が原因。若年層でも報告が増えています。 - 骨粗しょう症や視力障害、歯周病
→ タバコは骨や歯、目の健康にも悪影響を及ぼします。
●家族の健康も奪う「受動喫煙」
喫煙者本人だけでなく、周囲の人の健康も脅かすのがタバコの恐ろしさです。
とくに子どもは影響を受けやすく、
- 喘息の悪化
- 中耳炎の頻発
- 乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスク上昇
など、さまざまな病態と関連があります。
●たった1本で、心臓と血管が緊急事態に
「1日1本だけだから大丈夫」——
そんな油断は禁物です。
実は、1本の喫煙でも血管はすぐに収縮し、心拍数・血圧が急上昇します。
その状態が日常的に繰り返されることで、体に“じわじわと確実に”ダメージが蓄積されていくのです。
●「ニコチン依存症」はれっきとした病気
タバコがやめられないのは、意志が弱いからではありません。
ニコチンが脳の報酬系に作用し、「吸うとホッとする」感覚を強化していく——
これはれっきとした“薬物依存”のメカニズムであり、「ニコチン依存症」という疾患として医学的にも認められています。

🟩第2章:禁煙のメリットとは?

「禁煙=辛いもの」と思われがちですが、
実は、やめたその瞬間から身体は少しずつ変わり始めます。
ここでは、禁煙によって得られる“確かなリターン”をご紹介します。
●禁煙後、体はこう変わる!【時間別の変化】
📅 20分後
- 血圧と心拍数が正常化し始めます
→ 心臓の負担が軽減!
📅 8時間後
- 血液中の酸素濃度が改善
→ 体のだるさが軽くなる人も。
📅 24時間後
- 心臓発作のリスクが低下
→ 禁煙開始からわずか1日でも、命に関わる病気のリスクが下がるのです。
📅 2〜3週間後
- 肺機能・循環機能が改善し、階段が楽になると実感する人も
- 咳や痰の減少、味覚の改善を感じ始めます
📅 1年後
- 冠動脈疾患(心臓病)のリスクが約半分に
→ 喫煙者にとって、これは大きなターニングポイント。
📅 5年後〜10年後
- 脳卒中・肺がん・喉頭がん・食道がんなどの死亡リスクが半減
- 「喫煙歴」が徐々にリセットされ、健康な非喫煙者に近づいていきます
●お金も時間も「取り戻せる」禁煙の経済的メリット
例えば、1日1箱(約600円)のタバコを吸っている人が禁煙した場合:
- 1ヶ月で:約18,000円の節約
- 1年で:約21万円!
- 10年続けば…なんと200万円以上!
さらに、喫煙所に行く時間・探す時間・買いに行く時間…
「タバコに使っていた時間」が、すべて自分の人生に返ってきます。
●家族の健康も守れる
禁煙によって、受動喫煙の害から家族や大切な人を守ることができます。
特に、子ども・妊婦・高齢者にとっては禁煙の恩恵は大きく、
喘息や肺炎、心臓病のリスクを大幅に下げることができます。
●そして何より、自分への“自信”が戻ってくる
禁煙は、ただの健康習慣ではありません。
「自分自身に勝った」というかけがえのない成功体験です。
- 「自分を変えることができた」
- 「自分の意志で未来を選べた」
こうした実感は、体の変化以上に心を強くします。
人生のどんなチャレンジにも活きてくる、大きな財産になるでしょう。
🌱禁煙とは、“失うこと”ではなく、“取り戻すこと”。
健康、時間、お金、そして人生そのもの——
やめることで、あなたは多くを手に入れることができるのです。

🟨第3章:でも、禁煙って難しいよね?

「タバコの害は分かってる。やめた方がいいのも分かってる。」
それでもやめられない——
実はそれ、とても“自然なこと”なんです。
●「意志が弱い」わけではありません
禁煙に失敗したとき、多くの人が自分を責めてしまいます。
「自分は意志が弱いんだ…」と。
でも、それは違います。
タバコがやめられないのは、“脳がニコチンに依存している”という医学的な理由があるからです。
これはれっきとしたニコチン依存症という病気なのです。
●脳がハマる「ニコチンの罠」
ニコチンは、タバコを吸うことで数秒で脳に到達し、
「ドーパミン」という快感物質を放出させます。
このドーパミンが、
- ホッとする
- 落ち着く
- イライラが消える
といった“快感”を生み出します。
すると脳はこう学習します:
「タバコ=ご褒美」
これが繰り返されると、**報酬系(脳の習慣回路)**が形成され、
無意識にタバコを求めるようになります。
●やめたくても「離脱症状」が立ちはだかる
ニコチンが切れると、体にはさまざまな離脱症状が起こります:
- 強いイライラや集中力低下
- 不安感、落ち着かなさ
- 頭痛や眠気、食欲増加
- 「1本だけ吸いたい…」という衝動
これらの症状は、自力だけで乗り越えるには非常に厳しいものです。
だからこそ、禁煙には「専門的なサポート」が必要なのです。
●治療すべき「依存症」としての禁煙支援
WHO(世界保健機関)も、日本の厚労省も、
ニコチン依存症は「治療が必要な病気」であると正式に定義しています。
つまり、あなたが医療の手を借りて禁煙を始めることは、
とてもまっとうで、正しいアプローチなのです。
🧠ニコチンは、脳の“習慣”と“報酬”に深く根を張る強力な依存物質。
でも、医学的なアプローチを取れば、乗り越えることは十分に可能です。

🟦第4章:スマホでできる!オンライン禁煙外来という選択肢

「禁煙外来に通ってみたいけど、忙しくて時間がない」
「病院に行くのはちょっと気が引ける…」
そう思っていた方にこそ知ってほしいのが、
“オンライン禁煙外来”という新しい選択肢です。
●オンライン禁煙外来とは?
オンライン禁煙外来とは、スマートフォンやパソコンを使って、
自宅にいながら医師の診察・禁煙治療を受けられる新しいスタイルの禁煙支援です。
- 通院不要!ビデオ通話で医師と面談
- 保険適用で治療費は自己負担1万円台〜(3ヶ月)
- 禁煙補助薬(チャンピックス・ニコチネル等)も自宅へ配送
- 忙しい人・人目が気になる人でも安心して続けられる
まさに、「令和の禁煙治療」とも言える方法です。
●【フィットクリニック】が選ばれる理由
数あるオンライン禁煙サービスの中でも特に支持されているのが、
フィットクリニックのオンライン禁煙外来です。
▶ フィットクリニックの特長:
- 医師による丁寧なカウンセリング(全国対応)
- 最短3分で予約完了、スマホ1つで全て完結
- 平日夜や土日にも対応可能で、仕事が忙しくてもOK
- 処方薬は最短翌日に自宅に届く
- LINEでのフォロー体制が充実しており、挫折しにくい
さらに、医師の視点から見ても、治療の継続率が高いのは大きなメリット。
無理なく「やめられる仕組み」が整っているからこそ、
成功率が高く、多くの人に支持されているのです。
●実際にやってみた人の声(例)
「通院の手間がないだけで、こんなに続けやすいとは…!」
「医師に相談できるだけで安心感が全然違いました」
「職場にもバレず、家族にも応援されながらやめられた」
このように、従来の禁煙外来では難しかった“続けやすさ”をオンラインが支えています。
📱スマホ1つで、あなたの禁煙は始められる。
禁煙したい気持ちが少しでもあるなら、
「時間がない」「面倒そう」と悩む前に、
まずは【オンラインで1歩踏み出す】という手があります。
最後に・・・
今回もブログを読んで頂きありがとうございました。
手術前の患者さんによく、「手術前は必ず禁煙が必要になります」と伝えることが割と多いのですが
禁煙するように伝えるだけで、何の手助けもしないのは少し無責任だなぁと感じる部分もありました
このようなスマフォでできる禁煙診療があることは、
意外と我々外科医にとっても大きな助けになると思います。
最近は色々な診療があって興味深いです。
今度機会があれば患者さんにも進めてみます。
KOY



