便秘薬に気をつけて! ~便秘と長く付き合っていきましょう~

こんにちは。

みなさんは便秘でしょうか?

便秘の方は、前回ブログで生活内でできるアドバイスを紹介したので参考にしてみてください。

参考:便秘に向き合っていきましょう💩 「スッキリ出ない…それ、便秘かも?医師が教える便秘の原因と対策」

今回は薬について、アドバイスと注意喚起をしたいと思います!

ところでみなさんはどこで薬をもらっていますか?

病院で処方されたり、薬局で市販薬を購入したり人それぞれだと思います。

その薬がどのような作用があり、またどのような注意点があるのか知っている方は少ないと思います。

便秘の薬を飲んでいる方は、今まで使ってきた薬を飲みたい気持ちが強く、外来診察で副作用を説明し注意しても聞き入れてもらえていない感じがします。

よく皆さんが飲んでいる薬を中心に注意点を述べていきたいと思います。

このブログを読んで頂いて、もう一度便秘について向き合うきっかけになっていただけると嬉しいです☺

① 便秘薬の種類

② おおまかに分けた作用

③ 注意すべき副作用

④ おすすめの対応

⑤ 最後に・・・

① 便秘薬の種類

・マグネシウム製剤 (商品名:マグミット、酸化マグネシウムなど)

・アミティーザ

・リンゼス

・センノシド (プルゼニド、アローゼンなど)

・ピコスルファート

・ラクツロース

ここら辺りが良くクリニックや病院で処方される薬ではないでしょうか。

みなさんは内服している薬はありましたか?

②おおまかに分けた作用

大きく3つに分けてみたいと思います。

1.腸を動かす系 (刺激、促進)

これはその名の通り、腸の動きを助けて、便をスムーズに出すお薬
腸が“ぐぐっ”と動いてくれることで、たまっていた便が押し出されて、スッキリするという仕組みです。

代表的なお薬には、センナ(センノシド)やピコスルファートなどがあります。


これらは“腸にやる気を出させる”ようなイメージで、使って数時間後に便意を感じることが多いです。

ただし、毎日長く使いすぎると、腸が自分で動かなくなってしまうことも


「ここぞ」というときに使って、普段は食事や生活習慣で腸をいたわってあげるのがコツです。

③ 便を柔らかくする薬

便秘の原因のひとつに、「便が硬くて出にくい」ということがあります。
そんなときに役立つのが、便をやわらかくするお薬です。

これらのお薬は、腸の中に水分を引き込んで、カチカチの便をふんわり柔らかくしてくれるのが特徴。
出しやすくなることで、いきむ力も少なくてすみます。

代表的なものには、

  • 酸化マグネシウム(マグミット)
  • モビコール(PEG製剤)
  • ラクツロース(ラグノス)
    などがあります。

腸を無理に刺激するタイプではないので、習慣性が少なく、毎日飲んでも安心なお薬が多いのもポイントです。
便秘がちなお年寄りや、力めない方、妊婦さんにもよく使われますよ。

3.腸の動きや水分分泌を自然に整えて、出しやすくする薬 (比較的新しい作用)

このお薬は、

  • 腸の中に水分を増やして便を柔らかくしたり
  • 腸の動きを整えて便を出しやすくしたり
    といった作用があり、体にやさしいのが特徴です。

代表的なお薬には、

  • アミティーザ(ルビプロストン)
  • リンゼス(リナクロチド)
  • グーフィス(エロビキシバット)
    などがあり、最近の便秘治療ではよく使われるようになってきました。

毎日飲んでも比較的安心なお薬で、刺激が少ないため、
高齢の方や長引く便秘に悩む方にもよく処方されます。

✨こんな方におすすめ!

  • 刺激の強い薬でお腹が痛くなる方
  • 長く便秘薬を使っているけど、効きが悪くなってきた方
  • 自然なリズムで出したい方

③ 注意すべき副作用

今回お伝えしたかったところです。

みなさんは漫然とお薬を飲んでいませんか?

この機会に一度確認してみてくださいね

1. 腸を動かす系を飲み続けて、薬が効かなくなる

センノシド、アローゼン、ピコスルファートなど

腸に「がんばれ!」と強く指示を出すような薬。


 効果は早めのため、一度使うと依存してしまうことも多いです。

しかし、毎日使い続けると効きにくくなることも

私が臨床の場で経験したことですが、やはり長年使っているとかなり腸管の動きが悪くなる方がいらっしゃいます。

中には、腸が全然動かなくなって大腸の大部分を切除する手術になった方も経験したことがあります。

(抗精神薬の影響もあったかもしれませんが、)

人生100年の時代。

長い目でみて使い過ぎには注意しましょう。

むしろ、ほとんど使わないようにすることを心がけた方がいいと思います。

定期的に飲むなら、なるべく他の作用をもつ薬を使いましょう。

生活習慣から見直してみましょう。

腸を動かす系の薬は、いざ!!! という時に使いましょう。

2.腎臓が悪い人は、マグネシウム製剤に気をつけて

便秘薬としてよく使われる「酸化マグネシウム(マグミットなど)」。
お腹を優しく動かし、便をやわらかくしてくれる定番のお薬です。
でも実は、腎臓の働きが弱っている方が飲むときには注意が必要なんです。

マグネシウムは、腸から吸収された後、腎臓から尿として体の外に出されます
でも、腎臓の機能が落ちていると…
👉 体の中にマグネシウムがたまってしまうことがあるんです。

これを「高マグネシウム血症」といって、

  • だるさ
  • 吐き気
  • 筋力の低下
  • 重症になると脈が遅くなったり、呼吸が弱くなる

といった症状が出ることがあります。

💡 こんな方は特に注意!

  • 慢性腎臓病(CKD)と診断されている方
  • 高齢で腎機能が低下していると言われている方
  • すでにマグネシウムを含むお薬を飲んでいる方(胃薬など)


✅ どうすればいいの?

  • 腎機能に不安がある方は、自己判断でマグネシウム製剤を続けないこと
  • 医師に「腎臓が心配なんですが、この薬大丈夫ですか?」と一言相談を
  • 代わりに、モビコール(PEG製剤)やラクツロースなど、腎臓に負担が少ない便秘薬も選べます。

「腸にやさしい便秘薬」でも、体にとっては注意が必要なこともあるんです。
腎臓がちょっと弱っているかな?と思ったら、薬も見直してみましょう。

④ おすすめの対応

基本的には薬は医師が判断して、アドバイスして決めることが多いです。

長年使っている薬を変更することは、当たり前ですが気がのらないものです。

先生のアドバイスだけで決められない方は、このブログも読んでみて

今後の薬の選択の参考にしてください。

⑤ 最後に・・・

今回もブログを読んで頂きありがとうございました。

明日もいい便がでるように、しっかり動いて、水分をとりましょう。

排便のアシストとして薬を使うのは良いと思います。

明日もみなさんの快便を祈っております。 

KOY