

こんばんは。
暑さが本格化してきましたが、皆さんお元気でしょうか?
「夜、なかなか寝つけない…」「朝起きても疲れが取れない…」
そんな“夏の睡眠トラブル”に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
エアコンの設定、寝具の工夫、寝る前の過ごし方──
実はちょっとしたポイントを押さえるだけで、ぐっすり眠れるようになることもあるんです。
今回は、外科医として日々の診療にあたる中で感じている“夏の眠り”の大切さや、
私自身も実践している対策について、医学的な視点も交えてやさしくお話ししていきます。
暑さに負けず、心も身体も元気に過ごすためのヒントとして、
ぜひ最後までお付き合いください🍃

なぜ夏は眠りづらくなるのか?

「夏になると、なぜこんなに眠りづらくなるのか?」
実はその理由には、体温と環境の関係が大きく関わっています。
私たちの体は、夜になると「深部体温(体の内部の温度)」を下げることで、自然に眠気を感じるようにできています。
ところが、夏の高い室温や湿度がこの“体温を下げる仕組み”の妨げになってしまうのです。
特に寝室の気温が27℃以上、湿度が70%を超えてくると、汗をかいてもうまく蒸発できず、体の熱がこもりがちに。
その結果、
- 寝つきが悪くなる(入眠障害)
- 眠りが浅くなる(中途覚醒や熟睡感の低下)
といった睡眠トラブルが起こりやすくなります。
また、夏は「皮膚表面は冷えているのに体の中は暑い」というアンバランスな状態にもなりやすく、これが“なんとなく不快”という感覚にもつながります。
さらに、寝苦しさによる**睡眠の断片化(こまぎれ睡眠)**が続くと、自律神経が乱れやすくなり、体調不良や気分の落ち込みにも影響することがあるのです。
このように、夏の夜は睡眠にとって過酷な環境。
でも逆にいえば、“環境”を整えることで眠りの質はぐっと改善する可能性があるということでもあります。

今日からできる!夏の快眠ポイント

「眠れない夜は仕方ない」とあきらめる前に、ちょっとした工夫で睡眠の質はぐっと変わります。
ここでは、今日から始められる“夏の快眠テクニック”をご紹介します。
🌬 エアコン設定とサーキュレーター活用術
寝るときのエアコン、**つけっぱなしにするか迷う…**という方も多いと思います。
実は、エアコンは“自動運転”モードで27〜28℃前後に設定するのがおすすめです。
温度だけでなく、湿度(50〜60%)をコントロールすることも大切。
除湿機能(ドライ)もうまく活用しましょう。
さらに、サーキュレーターや扇風機を併用すると、空気が循環し体感温度が下がります。
人に直接風が当たらないように「壁や天井に向けてやさしく風を回す」のがポイントです。
❄ 冷却グッズで“ほどよく涼しく”
寝苦しい夜に効果的なのが、冷感寝具やアイス枕の活用です。
- 接触冷感シーツ・敷きパッド:肌に触れたときにひんやり感じる素材で、寝つきをサポート
- アイスノンや冷却ジェル枕:頭や首元を冷やすことで、深部体温を下げやすくなります
- 足元に冷たいタオルや保冷剤を当てるのも◎(ただし冷やしすぎ注意)
冷やすポイントは「頭」「首の後ろ」「脇の下」「太ももの付け根」など、太い血管が通る場所です。
🌿 就寝前の習慣を整える
寝る前の過ごし方も、実はとても大事です。
- ぬるめ(38〜40℃)のお風呂に入る:体の深部体温が一度上がり、その後下がることで自然な眠気が生まれます
- 軽いストレッチ:筋肉をほぐすことでリラックスし、副交感神経が優位に
- 就寝1時間前からはスマホやPCの画面は控えめに:ブルーライトが睡眠ホルモン“メラトニン”の分泌を抑えてしまいます
- 水分補給はしっかりと(常温か冷たすぎない水がおすすめ)


朝からだるい…その対策法

夜、しっかり眠ったはずなのに――
「朝から体が重い」「起きるのがつらい」そんな“だるさ”に悩んでいませんか?
実はこの“起床時の不調”にも、夏特有の原因と対策があります。
🌞 朝の光を味方にする
人の体内時計(サーカディアンリズム)は、朝の光によってリセットされます。
ところが、夏はカーテンを閉めっぱなしで寝てしまうことが多く、
朝になっても十分に光が入らないため、目覚めが鈍くなりがちです。
おすすめは、
- レースカーテンだけ閉めておく(遮光カーテンは開ける)
- 起床時間に合わせて明かりがつく「光目覚まし時計」を使う
朝日をしっかり浴びることで、体が「朝だ」と判断し、スッキリ目覚めやすくなります。
これだけでも、朝の“だるさ”はかなり改善されますよ。
📱 アプリやグッズで「眠りの質」を可視化・サポート
「どれだけ眠ったつもりでも、なんだか疲れが取れない…」
そんなときに役立つのが、睡眠を“見える化”できるアプリやデバイスです。
▷ 使いやすい快眠サポートツール
- 睡眠記録アプリ(Sleep Cycle、Somnusなど):浅い眠りのタイミングでアラームを鳴らしてくれる
- スマートウォッチや睡眠トラッカー:深い眠り・浅い眠りの周期をグラフで確認できる
- 快眠音・環境音アプリ(雨音、ホワイトノイズなど):寝つきを助け、夜中の覚醒を減らしてくれる
また、
- 寝具の素材を見直す(通気性・吸湿性の良いものへ)
- 枕の高さ・固さを自分の体格に合ったものへ調整
といった**“寝床のカスタマイズ”**も、朝のスッキリ感に大きく影響します。
「朝のだるさ」は、前夜の“眠りの質”のバロメーター。
まずはできることから一つずつ整えて、気持ちのいい目覚めを迎えてみてください☀️

まとめ:快眠は“夏の元気”の源!
夏の夜は、眠りにとって想像以上に過酷な環境です。
それでも、ちょっとした工夫や心がけ次第で、睡眠の質はぐっと良くなります。
- エアコンやサーキュレーターを上手に使う
- 寝具や冷却グッズを見直してみる
- 就寝前のルーティンを整える
- 朝の光で体内時計をリセットする
こうした対策を積み重ねることで、「夜しっかり眠れる」「朝スッキリ起きられる」生活が少しずつ戻ってきます。
そしてそれは、夏バテや体調不良の予防にも直結します。
睡眠がしっかりとれていれば、日中の集中力や免疫力、気分の安定にも良い影響をもたらします。
最後に個人的に好きな冷却系の寝具を紹介します。

最近は、どこの家具屋さんやショッピングモールに行ってもこのような冷感シリーズがあります。
やはりニトリは値段や質のパフォーマンスが高く、毎回感心させられます。
このようなライフケアでも寝れない、疲れが取れない場合は、早く寝ることを心がけたり、また無理せず眠剤も試してみても良いかもしれません。
眠剤に依存しないように気を付けて。
今年も熱い夏を楽しんで乗り切りましょう!
KOY




