大腸がん、見逃し防ぐ新技術! 大腸カメラについて説明します。

大腸がんは、日本人にとって非常に身近ながんのひとつであり、年々その罹患数は増加傾向にあります。

特に40歳を過ぎると、そのリスクは高まるとされており、定期的な検診や内視鏡検査が重要とされています。

しかし、内視鏡検査を受けても、小さなポリープや平坦な病変が見落とされることがあるのも事実。

こうした見逃しは、将来的に大腸がんへと進行するリスクを高めてしまいます。

そんな中、国立がん研究センターが発表した「TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)観察法」という新技術が、注目を集めています。

この技術により、従来よりもポリープや初期の病変を見つけやすくなるというのです。

次章では、このTXI法とはどのような技術なのか、そして実際にどのような効果があるのかを詳しく解説していきます。

他の記事でも大腸カメラについて紹介しています。参考にしてください。

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ニュース:大腸がん、見逃し防ぐ新技術=内視鏡検査、ポリープ発見率向上―国立センター

大腸がん、見逃し防ぐ新技術=内視鏡検査、ポリープ発見率向上―国立センター

大腸がん、見逃し防ぐ新技術=内視鏡検査、ポリープ発見率向上―国立センター

国立がん研究センターは25日、大腸の内視鏡検査で粘膜の変化を見えやすくする「TXI観察法」が、従来の観察手法より、ポリープや見つけにくい病変の発見率を高めるとの研究結果を発表した。がんの見逃し防止に寄与する可能性があるという。
 TXI法は、粘膜表面の「明るさ」「構造」「色調」を際立たせ、病変を見つけやすくする新たな技術。研究では、国立がん研究センター中央病院(東京都中央区)を含む全国8施設で内視鏡検査を受けた計956人を対象に、通常光を用いた従来の観察手法と発見率などを比較した。
 その結果、初期の大腸がんの発見数に差はなかったものの、ポリープの発見率はTXI法で82.4%、従来法で74.3%と差があった。凹凸が少なく見つけにくい病変でも、発見率はTXI法が76.5%と、従来法の70.3%より高かった。
 ポリープなどの見逃しは大腸がんのリスクにつながるため、内視鏡による病変の早期発見と切除が鍵となる。40歳以上の人は便潜血検査による検診が推奨されており、研究チームのメンバーで同病院内視鏡科の豊嶋直也医師は「検診で精密検査が必要とされた場合は、大腸の内視鏡検査を受けてほしい」と呼び掛けている。 

TXI法とは?

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TXI(Texture and Color Enhancement Imaging:テクスチャーおよび色調強調観察)法は、最新の画像強調技術のひとつで、内視鏡検査における視認性を飛躍的に向上させる革新的な観察モードです。

TXI法では、粘膜の「明るさ」「表面構造(テクスチャー)」「色調」を強調することによって、通常光では見落とされやすい微細な病変や平坦なポリープなどの病変を、より明瞭に映し出すことが可能となります。

特に大腸の内視鏡検査においては、凹凸の少ない早期病変や微小ポリープの発見が難しいことが課題でした。

TXI法は、そうした検出困難な病変に対して新たな「見える化」を提供し、診断精度の向上に貢献しています。

今回の研究では、このTXI法を従来の通常光観察法と比較することで、その有用性が改めて確認されました。

ポリープの発見率向上はもちろんのこと、見逃しを減らすことで、大腸がんの予防や早期治療に大きな可能性をもたらしています。

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🌟 研究結果の内容について

国立がん研究センターなど日本国内8施設、合計956名を対象に、従来の白色光観察(WLI)と比べ、TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)を用いた内視鏡検査の効果を比較検討しました。その結果:

また、右側結腸(盲腸から上行結腸)に対して、WLIによる初回内視鏡観察の後、30秒間TXI観察を追加する「Add‑30s TXI」法を導入した研究では、がんや前がん病変の見逃しが減少しました。

つまり、TXI単独でも従来法より視認性が良く、特に検査の最後に少し観察時間を追加するだけで、見逃しとなりやすい平坦小型病変や右側結腸の病変検出率が向上するという実用的な検証結果が得られています。

まとめ

大腸がんは早期発見・早期治療で完治が期待できるがんの一つです。

今回ご紹介した「TXI法」は、これまで見つけにくかった病変の発見率を高め、がんの“見逃し”を防ぐ新たな武器として期待されています。

40歳を過ぎたら、まずは便潜血検査から。そして、精密検査が必要となった場合は、ぜひ内視鏡検査を受けてみてください。

その一歩が、あなたやあなたの大切な人の命を守ることにつながるかもしれません。

KOY