


最近、ちょっと外を歩いただけで汗が止まらない。
室内にいても、体がだるい、頭がボーッとする…。
そんな症状が出たとき、「これって熱中症かも?」と不安になったことはありませんか?
毎年のように猛暑が続く日本の夏。
熱中症で救急搬送される人も年々増えており、実際に「救急車を呼ぶべきか迷った」という経験がある
方も多いはずです。
もちろん、命に関わる危険がある以上、「救急車を呼ぶ」という判断は間違っていません。
それは“しょうがない”ではなく、“正しい対応”です。
でも――
症状がまだ軽い段階で、適切な対処ができれば、自宅で落ち着くこともある。
そんな場面も、実は少なくないのです。
今回は、医師の視点から「熱中症かもしれないとき、家でできる応急処置」を5つのステップに分けてわ
かりやすくご紹介します。
もしものときに慌てないよう、そして大切な人を守るためにも、ぜひ今のうちにチェックしておいてください!

1. 熱中症の症状は??
夏の暑さが本格化してくると、知らず知らずのうちに体に負担がかかってきます。
気づいたときにはもう「しんどい…」「なんだかおかしい…」という状態になっていることも少なくありません。
ここでは、熱中症の主な症状を、重症度のレベルに分けてご紹介します。
ご自身やご家族に当てはまる症状がないか、ぜひチェックしてみてください。
🔹【Ⅰ度:軽度】初期の熱中症サイン
比較的軽い段階で起こる症状です。この段階で気づければ、自宅での応急処置が可能なことも多くあります。
- めまい・立ちくらみ
- 筋肉のけいれん(足がつる、こむら返り)
- 大量の発汗(じっとしていても汗が止まらない)
- なんとなくだるい、気分が悪い
➡ この段階で涼しい場所に移動し、水分・塩分を補給できれば、回復することもあります。
水やお茶の摂取も大事ですが、エネルギー面も考えると牛乳などもいいかもしれません!
参考ブログ:夏バテ/牛乳


🔸【Ⅱ度:中等度】医療機関の受診を考えるレベル
体温調節機能がかなり乱れてきている状態です。本人の訴えをよく聞く必要があります。
- 頭痛、吐き気、嘔吐
- 強い倦怠感(立っていられない)
- 集中力や判断力の低下(ぼーっとしている)
- 「暑い」とも言わなくなる(自覚がなくなっている)
➡ 水分が摂れない、意識がはっきりしない場合は、医療機関での対応が必要です。
イラストからもわかるように、Ⅰ度とⅡ度は意外と分かりづらいかもしれませんね。

🔴【Ⅲ度:重度】命に関わる緊急状態
この段階では、すぐに救急車を呼ぶことが必要です。
- 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応がない
- 痙攣(けいれん)
- 体が熱いのに汗をかいていない(皮膚が乾燥している)
- 高体温(体温が40℃以上)
➡ 家での対応は限界です。すぐに119番通報し、応急処置をしながら救急隊を待ちましょう。
イラストでは、もう体・表情に力が入っていませんね、、、、

☝️まとめ|「いつもと違う」を見逃さないことがカギ
熱中症は**“静かに進行する”病気**です。
一見ただの疲れや食欲不振に見えても、体の中では脱水や体温調節の異常が進んでいることがあります。
「なんだか変だな」と思ったら、無理をせず、まずは体を休めること、水分をとること。
できれば、水・お茶の他にもエネルギーになるスポーツドリンクや牛乳なども摂取してください。
一度熱中症になると、治療が必要となり体が戻るのに時間を要します。
早めの気づきと対処が、重症化を防ぐカギになります。


2. 熱中症かも?家でできる“応急処置”5ステップ
「ちょっと頭がクラクラする…」「汗が止まらない…」
そんなとき、すぐに救急車を呼ぶべきか迷う方も多いと思います。
熱中症には初期の段階で適切な処置をすれば回復するケースもあります。
ここでは、医師の視点から、家庭でできる応急処置を5つのステップでご紹介します。
✅ステップ1:すぐに涼しい場所へ移動!
まずは何より、暑さから逃れることが最優先です。
冷房の効いた部屋や日陰、風通しの良い場所に移動しましょう。
🪟 窓を開けて風を通す/扇風機を活用する
🌳 屋外なら木陰やコンビニの冷房下も一時的な避難場所に
✅ステップ2:衣服をゆるめて熱を逃がす
身体を締めつける服は熱をこもらせます。
襟元やベルトなどをゆるめて、熱を放出しやすい状態に整えましょう。
できれば、靴や靴下も脱いで体の放熱を助けるのもおすすめです。
✅ステップ3:冷やすべきは“首・脇・太もものつけ根”
体を冷やすときは、皮膚のすぐ下に太い血管が通っている部分を狙うのがコツです。
🧊 冷やすポイント:
- 首の左右(頸動脈)
- 脇の下(腋窩動脈)
- 太ももの付け根(大腿動脈)
保冷剤や冷やしたペットボトル、濡れタオルなどを活用しましょう。
✅ステップ4:水分と塩分を少しずつ摂る
汗で失った水分と塩分を一緒に補給することが大切です。
理想は経口補水液(OS-1など)。ない場合は、水と一緒に塩飴やみそ汁でも◎。
水分・ミネラル・エネルギー(タンパク質・脂質)を意識して摂取しましょう!!
⚠️ 「水だけ」だと低ナトリウム血症のリスクがあるので注意。
⚠️ 意識がぼんやりしていたり、吐き気が強いときは無理に飲ませないでください。
✅ステップ5:症状が落ち着くまで安静に・見守る
回復傾向にあっても、油断せずに30分〜1時間は安静に。
できれば家族や同居者がそばで見守ってください。
「だいぶ良くなった」と思っても、再発や悪化することがあります。
気になる場合は、医療機関に相談を。
🧠 応急処置のまとめ
涼しい場所で
服をゆるめて
首・脇・股を冷やす
水と塩分をこまめに
回復するまで安静に
この5つのステップを、ぜひ覚えておいてください。

3. こんなケースは病院へ!
熱中症は、初期であれば家庭で回復することもあります。
でも、次のような症状がある場合は、**“応急処置では対応できないレベル”**です。
少しでも当てはまれば、迷わず医療機関を受診するか、救急車を呼びましょう。
🚨要注意サイン①:意識がもうろうとしている、反応が鈍い
- 呼びかけにうまく反応しない
- 会話が成り立たない
- 眠ってしまって起きない/フラフラ歩く
➡ 脳が熱によって機能低下している危険な状態です。
🚨要注意サイン②:水が飲めない・吐いてしまう
- 飲もうとしてもむせる
- 吐き気が強くて水分が入らない
- 一度飲んでもすぐに嘔吐する
➡ 脱水が進行し、点滴が必要なレベルの可能性があります。
🚨要注意サイン③:汗が止まっていて、体が異常に熱い
- 皮膚が乾いているのに体温が高い
- 汗が出ず、顔が真っ赤 or 逆に青白い
- 体温が39~40℃以上に上がっている
➡ 重度の熱中症(Ⅲ度)に該当。命に関わる緊急状態です。
🚨要注意サイン④:けいれん、異常な言動がある
- 体が震える、けいれんしている
- 意味不明な言動、錯乱状態
- 手足がしびれる・動かしにくい
➡ 脳・神経への深刻な影響が出ているサインです。緊急搬送が必要です。
🚨要注意サイン⑤:高齢者・乳幼児・基礎疾患のある人
これらの方は症状が出にくく、気づいたときには重症化していることが多いため、軽い症状でも念のため受診を。
- 65歳以上の高齢者
- 1歳未満の乳児
- 心臓・腎臓・糖尿病などの持病がある方
🧠まとめ|「おかしいな?」と思ったら、ためらわず病院へ
熱中症は、**“病院に行くタイミングが遅れるほど危険が増す病気”**です。
「大げさかも?」と思っても、自分の命・大切な人の命を守る行動を優先してください。
☎️迷ったときは、地域の救急相談ダイヤル(#7119など)も活用を。
正しく怖がり、正しく対応すれば、熱中症は防げます。
夏を安全に過ごすために、知識と準備を持っておきましょう☀️
KOY


