
「また芸能人が大麻で逮捕か…」
ニュースアプリを開いて最初に目に入ったのが、俳優・清水尋也さんの逮捕報道でした。
しかも容疑は、大麻の所持。今をときめく若手俳優の突然の逮捕に、SNSは騒然。テレビ局は対応に追われ、出演作は急遽編集や降板の対応が進んでいるとのことです。
最近、こうした“芸能人×薬物”のニュース、よく目にしませんか?
でもここで一度、立ち止まって考えてみたいのです。
「そもそも大麻って、そんなにダメなの?」
「海外では合法な国もあるのに、なぜ日本ではここまで厳しいの?」
私は普段、医療現場に身を置く立場として、薬物に対する知識や社会との距離感を考える機会があります。
そして今回の報道をきっかけに、**“大麻”そのものの実態や、社会の反応、そして人間の信頼とリスク”**について、少し掘り下げてみます。


【麻薬取締法違反で逮捕】清水尋也、業界では有名だった“遅刻癖”夏前に出回っていた「要注意」情報


9月3日、俳優の清水尋也(ひろや)容疑者が、麻薬取締法違反の疑いで警視庁に逮捕されたことが報じられた。悪役から好青年まで多様な役を演じられることから、数多くの映像作品に出演、多忙な若手俳優のひとりだった。作品への影響などを心配する声があがっている。
「清水容疑者は9月3日早朝、自宅で同居する20代女性と一緒に逮捕されたといいます。警視庁は2025年1月、清水容疑者が大麻を使用しているとの情報を入手し、捜査を開始していたようで、清水容疑者は『大麻を持っていたことは間違いない』、女性は『すべて事実です』と供述しているそうです。 清水容疑者は現在、嵐の松本潤さんが主演を務めるTBS日曜劇場『19番目のカルテ』に主要キャストとして出演中です。7日には、最終回となる第8回が15分拡大で放送予定でしたが、TBSは清水容疑者の出演シーンをカットする方向で進めていると声明を出しました。ドラマの視聴者からは、心配の声も多くあがっています」(スポーツ紙記者) 現在、26歳の清水は、2013年公開の映画『震動』で芸能界デビュー。現在、芸歴13年めとなる。 「その後、映画『渇き。』(2014年)でいじめを受ける悲愴感あふれる演技が注目され、一躍、知られるようになりました。その後も映画『ちはやふる』やドラマ『anone』(日本テレビ系)など、話題作に次々と出演しています。さまざまな役を演じられることから“カメレオン俳優”と呼ばれ、近年は業界内でも出演オファーが絶えませんでした」(芸能記者) 表舞台では口数も少なく、寡黙なイメージを持たれていたという清水。現場ではどのような人物として映っていたのだろうか。テレビ局関係者はこう明かした。 「今回の逮捕については、先行して情報を入手していた局もあったそうで、夏前くらいには一部の局の編成部門などに『清水をドラマや映画のラインナップにするのは注意、外したほうがいい』と話が入っていたとも聞きます。 2015年の『MOVIE Collection』のインタビューでは『僕は時間にルーズ』『朝、起きるのも苦手なので、撮影のときとかは、もうたいへん』と語っていました。この“遅刻癖”は現在も変わらなかったようで、業界では有名でした。最近の現場でも、入り時間に遅れることがあったそうです。ときには、遅刻のせいで撮影の順番を入れ替えたりしたこともあったとか」 ブレイク目前だった清水だが、撮影の現場では意外な不評を買っていたようだ。



第1章:そもそも大麻とは何か?

大麻(たいま)と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
「違法薬物」「人生終了」「依存症になる」——日本ではこうしたネガティブな印象が圧倒的です。
ですが、世界に目を向けると事情は少し異なります。まずはこの「大麻」という植物がどんなもので、なぜここまで話題になるのかを整理してみましょう。
■ 大麻の正体は「植物」だった
大麻とは、アサ(麻)という植物から得られる製品や物質のことを指します。
日本では「大麻草」や「カンナビス(Cannabis)」という名前でも知られています。
見た目は観葉植物のような葉を持ち、成長も早いため、古くから**繊維(布・縄)や種子(食用油)**として重宝されてきました。
実は日本でも、縄文時代から麻は利用されていたと言われています。
戦前までは合法的に栽培されていた地域もあり、神社のしめ縄などにも使われていたほど。
つまり、大麻=悪という構図は、比較的最近の認識でもあります。

■ 問題は「THC」という成分にある
では、なぜ大麻が“危険視”されるのでしょうか?
その主な理由は、**「THC(テトラヒドロカンナビノール)」**という成分にあります。
これは大麻に含まれる向精神作用のある成分で、摂取することで陶酔感・多幸感・幻覚作用を引き起こすとされます。
つまり、**大麻=「THCを含む麻製品」**と定義されることが多く、医療用途とは別に「快楽目的での使用」が問題視されているのです。
■ ただし、“CBD”には医療的価値も
一方で、CBD(カンナビジオール)という別の成分には、精神作用はなく、抗炎症作用・不安軽減・鎮痛作用などがあるとして、近年注目されています。
実際、アメリカやカナダではてんかん治療や疼痛緩和に使用されるCBD製剤がFDA(米国食品医薬品局)で認可されており、日本でも輸入・販売が許可されているCBD製品が出回っています。
■ 大麻のリスクとは?
THCを多く含む大麻の使用には、以下のようなリスクがあります:
- 幻覚・妄想などの精神症状
- 注意力や記憶力の低下(特に10代の使用)
- 長期使用による精神依存(身体依存は比較的少ない)
- 社会的信用の喪失(今回のように逮捕や報道被害)
ここで重要なのは、**「使用者すべてが依存症になるわけではないが、リスクがゼロではない」という事実です。つまり、大麻には“無害でもなければ、完全な悪でもない”**という側面があるということ。

第2章:日本で大麻はなぜここまで厳しいのか?

清水尋也さんの逮捕報道を受け、「また芸能人が大麻で逮捕か…」という声がSNSで飛び交っています。そして決まって出てくるのが、「海外じゃ合法なのに、日本ってなんでここまで厳しいの?」という疑問。
実はこの疑問、すごく本質的な視点です。
日本が大麻に対してここまで“ゼロ容認”で臨むのには、法律だけでなく、歴史的背景や社会的な「空気」が深く関わっています。
■ 法律上、大麻は「麻薬ではない」
まず驚くかもしれませんが、実は日本の法律では大麻は“麻薬”に分類されていません。
- 「麻薬及び向精神薬取締法」…いわゆるコカインやヘロインなどを規制
- 「覚せい剤取締法」…メタンフェタミン(シャブ)などを規制
- そして「大麻取締法」…大麻だけを個別に規制
つまり日本では、「大麻は大麻である」として、独立した法律で厳しく取り締まっているのです。この構造自体が世界的には珍しく、法律的にも特異なスタンスだといえます。
■ なぜこんなに厳しい?戦後GHQの影響
この背景には、戦後のGHQ(連合国軍総司令部)による統治政策が大きく関係しています。
1948年、日本がまだアメリカの占領下にあった時代に**「大麻取締法」が制定**されました。
当時のアメリカは、国内で「マリファナ=悪」というキャンペーンを展開していた時期で、それに倣う形で日本も規制を強めたという流れです。
ただし、当時の日本では大麻は伝統的に医療や農業、神事にも使われていたため、「一定の条件下での栽培は可」という例外規定が設けられました(実は今も「大麻栽培者免許」が存在します)。


最後に
ここまで、大麻の成分、作用、法制度、そして社会的な背景について見てきました。
歴史的に見れば、大麻はかつて日本でも医療や繊維、神事に使われていた時代があり、今も海外では医療用・娯楽用として合法化が進んでいる国もあります。
しかし、日本では今なお「違法」であり、所持・使用すれば逮捕され、社会的信用を失う重大な結果を招きます。
医師の立場から見ても、大麻の成分には一定の作用があり、「害がない」とも「万能薬」とも言えません。
それだけに、感情論ではなく、冷静な視点で正しく知り、理解することが大切です。
現時点の日本社会において、大麻を使うことは絶対に許されません。
だからこそ、大麻には「手を出さない」というシンプルな選択が、自分と周囲を守る最善の行動です。
KOY
当ブログ記事:便秘薬/アミティーザ


