虫垂炎のサイン ~外科Drの目線~

こんにちは。

みなさんは”腹痛”を経験されたことがあると思います。

その原因が何なのか、一般の方が分かるのは難しいと思います。

腹痛が出ると、原因は何なのか、何の病気なのか気になると思います。

医師の目線で言わせて頂くと、「お腹の痛みの位置」、「押した時の痛み方」、「痛みの経過」などから推測することが出来ます。

お腹が痛くて病院に行くか迷っている方がいらっしゃれば、この記事を読んで経過を見ていいのか、病院に行くべきなのか、今後の参考になれば幸いです。

痛みは基本的には虫垂の位置する”右下腹部”です。

右下腹部痛でいらっしゃる方が多いです。

虫垂の位置は少し上にある人や下にある人(骨盤の方向)、人によって位置は少しですが異なります。

基本的には右下腹部ですが、虫垂が真ん中の方向に向いていると下腹部痛として認識される方もいらっしゃいます。

教科書的には、心窩部痛が最初に出て、その後右下腹部痛に移ることもあるので注意が必要です。

これは「内臓痛」といわれるお腹の中の神経の走行が関係していると言われています。

右下腹部が出た時は、必ず虫垂炎の可能性を考えましょう!!

「痛みの位置」で考えると、お腹の右の方には大腸もあります。なので、他の可能性としては、大腸憩室や大腸炎があります。

また少し右側腹部(横の方)や背中の痛みがあるときは尿管結石の可能性も考えます。

痛がり方

虫垂炎は痛いです!

動けなくて救急車で来る人もいます。

動ける方は、なるべく自家用車などで来て頂けると救急隊の方たちも助かると思います。

痛がり方は人それぞれですが、痛みの場所、つまり右下腹部を抑えるようにしてうずくまるような痛みの方が多いです。

診察時には、医師が右下腹部を押すと手をどけたくなるように痛がります。

ここは胃腸炎とは違うポイントと考えます。

胃腸炎は割とお腹が柔らかく、力が入る痛みではありません。

お腹を触って押すと柔らかい印象を受けます。

お腹の他の場所を押してもあまり痛くないのに、右下腹部を押すと走るような痛みが出るとき、お腹に力が入るような痛みがある時は虫垂炎が怪しいです。近辺を押してみてください。

痛みの経過

虫垂炎は兆候なく、急になります。

何か食べたから、何かしたから?

など、明らかな原因はありません。

しいて言うなら、便秘で便の流れが悪くなっていて虫垂に細菌が溜まりやすいこと、また現代の食事分化の変化により虫垂炎になりやすいとも言われています。

虫垂炎は放置していても良くなることはあまりないです。

原因となっている細菌をやっつけなければなりません。

病院に行って治療を行ってもらってください。

治療方法については、他のサイトを参考にしてください。

また記事にできればとは考えています。

虫垂炎を放置してはいけない理由・・・

虫垂炎を放置すると、

→炎症が悪化

→虫垂が腐る (壊死する)

→虫垂に穴があき、中の便汁や膿がお腹のなかに漏れてしまう

→つまり、腹膜炎になってしまう

からです。

腹膜炎になると、膿のたまりの膿瘍を作ったり、ひどい時には虫垂だけでなく大腸や小腸を切除する手術が必要になります。

なるべく早く病院に行くこと、そしてしっかり治すことをお勧めします。

虫垂炎は急に発症するので、仕事や学校などあるかもしれませんが、先生にしっかりみてもらい

入院すべき時は入院してください。

最後に・・・

ここまで記事を読んでいただいてありがとうございました。

虫垂炎を疑うサインについて説明してきましたが、、

やはり検査しなければわからない事も多く、

また、軽症と思っても検査では重症のこともあります。

記事を参考にして頂き、虫垂炎を疑ったときは、なるべく早く病院やクリニックを受診してください。

何か相談や教えてほしいことがあればコメントお願いします。

みなさんの疑問をなるべく解決していきます。