インフルエンサーとインフルエンザ、名前が似てる理由って?~医師が解説!~

今年もインフルエンザが猛威を振るっていますね。外来でも「家族全滅しました…」という声を毎日のように耳にします。まさに冬の風物詩…いや、冬の宿敵といっても過言ではありません。

ところで「インフルエンザ」と聞くと、


「乃木坂の“インフルエンサー”って、名前ちょっと似てない?」


なんて一度くらい思ったことがある人もいるのではないでしょうか。


実はこの“インフル”という言葉、意外すぎる由来を持っているんです。

いつもはただただ憎い存在のインフルエンザですが、


その名前のルーツを知ると――


ほんの少しだけ、親近感が湧いてしまうかもしれません。

インフルエンザの語源の正体とは?

「influence」由来で日本語として定着している言葉たち

インフルエンザの語源の正体とは?

「インフルエンザ」って、なんとなく横文字でカッコいい響きはありますが、


実はこの名前、ウイルスとはまったく関係のないところから生まれた言葉なんです。

インフルエンザの語源は、イタリア語の “influenza(インフルエンツァ)”


この言葉の意味はずばり、「影響」

さらにさかのぼると、


ラテン語の 「influere(インフルエレ)」=「流れ込む」「影響を与える」


という言葉が元になっています。

◆ 昔の人は「星の影響で病気が流行る」と信じていた

中世ヨーロッパでは、今のようにウイルスや細菌の存在はまだ知られていませんでした。
そのため、人々は感染症が流行すると、

「これは星の配置や天体の影響によって起きているに違いない」

と本気で考えていたのです。

つまりインフルエンザとは、
「星の影響によって流行する病気」=インフルエンザ
という、なんともロマンチック(?)な発想から生まれた名前だったんですね。

◆ 現在の正体はもちろん“ウイルス”

今ではご存じのとおり、インフルエンザの正体は
インフルエンザウイルスによる感染症です。

  • 星の影響 → ❌
  • ウイルスの感染 → ✅(こちらが本当の原因)

原因はすっかり解明されましたが、
名前だけはそのまま現代まで残った、というわけです。

「influence」由来で日本語として定着している言葉たち

◆ ① インフルエンサー(influencer)

意味:影響を与える人

  • SNSで流行を作る人
  • 芸能人・YouTuber・TikToker など

👉 influence(影響)+ er(する人)
👉 「人に影響を与える人」=インフルエンサー

これはいま最も身近な influence 由来の言葉ですね。

②「インフルエンサー」 乃木坂楽曲

2017年に流行った乃木坂 「インフルエンサー」

第59回日本レコード大賞 大賞受賞曲です!!

この曲

Wikipedia:インフルエンサー

③ インフルエンザ(influenza)

意味:本来は「影響」

すでに書いている通りですが、

  • 元は
    👉 「星の影響で流行る病気」
  • 現在は
    👉 「インフルエンザウイルスによる感染症」

医学用語として残った influence 由来の代表例です。

④マーケティング業界:インフルエンサーマーケティング

企業の世界ではこの言葉、定番です。

インフルエンサーマーケティング
= 影響力のある人を使って商品を売る手法

  • 有名YouTuberに商品を紹介してもらう
  • Instagramで話題を作る
  • 芸能人をアンバサダーにする

これ全部、
👉 **「人への影響(influence)をお金に変える仕事」**とも言えます。

医療用語の語源は、意外とロマンと動物でできている

インフルエンザの語源が「星の影響」だったと知ると、

「他の医療用語の名前も、実は面白い由来があるのでは?」

と気になってきます。


実は――あります。しかも、インフル以上にインパクトのある語源が。

ここでは、インフルエンザと並んで有名な

  • コロナ
  • ワクチン

この2つの語源を紹介します。

◆ コロナ(corona)の語源は「王冠」

新型コロナウイルスで一気に有名になった「コロナ」。
この言葉の語源は、**ラテン語の「corona」=王冠(かんむり)**です。

なぜ王冠なのかというと――
ウイルスの形が、王冠のようにトゲトゲして見えるから。

顕微鏡で見ると、
ウイルスの表面に突起(スパイク)が並んでいて、
それがまるで王冠のように見えるため、

「じゃあもう、コロナでいいじゃん」

と名付けられたわけです。

つまり、

  • 王様のコロナ → ロマンある
  • ウイルスのコロナ → 現実はかなり手ごわい

という、ギャップがすごい名前なんですね。

◆ ワクチン(vaccine)の語源は「牛」

これも医学界屈指の有名エピソードです。

ワクチン(vaccine)=ラテン語の「vacca」=牛

なぜ牛なのか?

それは、
種痘(天然痘予防)の最初の研究が「牛のウイルス」から始まったからです。

昔、ジェンナーという医師が気づきました。

「牛痘(ぎゅうとう)にかかった人は、天然痘にかからないぞ…?」

この発見から生まれたのが、世界で最初のワクチン。

つまり、

  • 人類最強レベルの感染症「天然痘」
  • それを防いだのは「牛由来のウイルス」

という、医学史上最も胸アツな逆転劇の名残が、
今の「ワクチン」という名前にそのまま残っているのです。

◆ こうして見ると、医療用語はけっこう人間くさい

ここまで見てくると、

  • インフルエンザ → 星の影響
  • コロナ → 王冠の形
  • ワクチン → 牛

と、
どれも 理系っぽい名前なのに、由来は意外と感覚的&アナログ です。

難しそうに聞こえる医療用語も、
実は

昔の人の「見たまま」「感じたまま」「気づいたまま」

から付けられているものが多い、というのも面白いです。

現在の言葉語源の言語元の意味由来の理由
インフルエンザイタリア語・ラテン語影響・流れ込む星の影響で流行すると信じられていた
コロナラテン語王冠ウイルスの形が王冠のように見える
ワクチンラテン語牛(vacca)牛痘から天然痘予防が始まった

まとめ

インフルエンザの語源は「星の影響(influence)」。
そこから広がって、インフルエンサー、影響、コロナ、ワクチン――
私たちが日常的に使っているたくさんの言葉が、実は昔の人の発想や発見から生まれていることが分かりました。

普段は「怖い」「うつりたくない」と思っている病名や医療用語も、
由来をたどってみると、どこか人間らしく、少しだけ身近な存在に感じられるから不思議です。

もちろん、
親近感が湧いたからといってインフルエンザにかかっていいわけではありません。
だからこそ私たちは、
正しい知識という“良いインフルエンス”を味方につけて、
ワクチン・手洗い・マスクなど、現実的な対策を続けていくことが大切
なのだと思います。

言葉を知ることは、病気を知ること。
そして、病気を知ることは、自分の体を守ることにつながります。

今年もインフルエンザが猛威をふるっています。

みなさんも気を付けて良いお年を!!

KOY

koyブログ:いびきを治そう!!インフルエンザ

他HP:知らなきゃ損するA to Z