
「インフルエンザは冬の病気」
そう思っている方は多いでしょう。
しかし今年は様子が違います。
秋に一度流行したにもかかわらず、
通常ならピークを越えて落ち着くはずの2月、
再び患者数が増加しています。
“一度終わったはずの流行が、もう一度やってきた”
そんな印象を持つ医療者も少なくありません。
例年のインフルエンザは、
年末から年始にピークを迎え、その後ゆるやかに収束します。
ところが今回は、秋の流行に続き、真冬にも再拡大するという
これまでにあまり見られなかった動きが起きています。
なぜ同じシーズンに二度も波が来るのか。
何が変わっているのか。
この記事では、
今年の異例の再流行の背景と、その理由を
医療現場の視点から整理していきます。
ニュース:異例のインフル再流行──「30年に1度」少雨が影響? 「記録的大雪」日本海側の感染状況は? 「B型」急拡大も一因か

去年11月に大きく流行したインフルエンザが、再び猛威を振るっています。記録的大雪となった東北の日本海側や北海道は比較的少なめですが、それ以外では警報レベルに達している地域が多くなっています。今年の気候やB型の急拡大が背景にありそうです。
藤井貴彦キャスター
「インフルエンザが異例の再流行となっています。去年11月に大きな流行があった後、一度落ち着いたものの、2度目の急上昇をしています。厚生労働省によると、2月8日まで2週連続で警報レベルを超えています(1定点医療機関あたりの患者数は43.34人)」
「全国では最も多くの患者が報告されているのが鹿児島県(74.82人)と大分県(69.67人)、さらに千葉県(62.69人)で、警報レベルの2倍を超える数字となっています。この流行している地域に特徴はあるのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員
「インフルエンザの大きな流行の発生を示す警報レベルは、1つの定点医療機関あたりの患者が30人です」
藤井キャスター
「(これに達している都府県は)かなり多くの地域に及び、九州を含めて西日本が多いように見えます」
小栗委員
「一方、東北の日本海側や北海道はまだ比較的少なめです。今シーズンは日本海側は記録的な大雪、太平洋側は30年に1度の少雨となっていますが、この気候がインフルエンザの再流行にも関わっているといいます」
小栗委員
「感染制御学が専門の東邦大学・小林寅喆教授によると、ポイントは乾燥だということです。大雪の地域では空気が湿っている他、積雪の影響で人の出が少なく、人と人との接触が減って感染が拡大しにくかった可能性があるといいます」
「一方、東京など太平洋側では少雨で乾燥していたところに、2月上旬の寒波で気温が下がってウイルスが活性化。今年に入ってインフルエンザにとって最適な気候となってしまっているということです」
「気象庁は17日、太平洋側の広い地域や西日本で30年に1度の顕著な少雨の地域が広がっていて、今後1か月程度はまとまった雨が降りにくいとして注意を呼び掛けました。乾燥はまだしばらく続きそうです」
藤井キャスター
「再流行の波が来ている理由は、他にもあるようですね」
小栗委員
「今回の再流行の大きな特徴がB型です。小林教授によると、例年インフルエンザはA型の流行が落ち着いた後にB型が流行するということですが、今年は B型の流行の波が大きいことが特徴です」
「今は患者の7~9割がB型だといいます。また、A型の流行が早かったので早めに予防接種をした方も多く、効果が薄れてきているケースもあるそうです(効果持続は5か月程度)」
藤井キャスター
「B型にはどんな特徴があるのでしょうか?」
小栗委員
「A型は急激に高熱が出て、倦怠(けんたい)感やのどの痛みなどが特徴なのに対し、B型はそこまで熱は上がらないものの、吐き気や下痢などの消化器症状が現れるのが大きな特徴です。ただ症状には個人差があり、おかしいなと思ったら医療機関を受診してください」
「また予防には手洗いや人混み回避といった基本的な感染対策を徹底し、インフルエンザウイルスが嫌う高温多湿、暖かくて湿度の高い環境を保つのがいいと小林教授は話していました」
第1章:なぜ2回目の流行が起きている?

今年のインフルエンザ流行の最大の特徴は、
**「1シーズンに2度のピーク」**が起きていることです。
秋から初冬にかけて一度流行したにもかかわらず、
年明け以降に患者数は再び増加し、2月には再び警報レベルへ。
実は、1シーズンの中で流行が一度落ち着いた後、
再び警報基準を超えるのは極めて珍しく、
現在の統計方式が始まった1999年以降で初めてとされています。
では、なぜこのような「2回目の流行」が起きているのでしょうか。
① A型の流行後にB型が拡大
今回の再流行の最大の理由は、
ウイルスの型の違いです。
2025年秋〜初冬にかけては
主にインフルエンザA型が流行しました。
しかし一度患者数が減少したあと、
年明けからはB型が急増し、
再び患者数が増えています。
A型とB型は別のウイルスであり、
A型に感染してもB型への免疫は十分ではありません。
そのため、
「秋にA型にかかったのに、冬にまたインフル」
というケースも実際に増えています。
これが、同じシーズンに
2度目の流行が起きている最大の要因です。
② 流行開始が例年より早かった
今年はそもそも、
インフルエンザの流行開始自体が早い年でした。
例年より約1か月早く
秋から患者数が増加し、
シーズン全体が長くなっています。
流行開始が早ければ、
当然ピークも複数回起こりやすくなります。
つまり今年は
流行期間そのものが延びている
という点も大きな特徴です。
③ 免疫の低下と人の移動の増加
専門家は、再流行の背景として
次のような社会的要因も指摘しています。
・コロナ禍で感染機会が減り免疫が低下
・人の移動や交流の完全回復
・寒さによる屋内滞在の増加
こうした条件が重なることで、
ウイルスが再び広がりやすい環境が
整ってしまったと考えられています。
④ 季節性が変わりつつある可能性
これまでのインフルエンザは
「冬に一度大きな流行が来る」
というパターンが一般的でした。
しかし近年は
・流行開始の前倒し
・ピークの複数化
・シーズンの長期化
といった変化が見られています。
つまり今年の再流行は、
単なる偶然ではなく、
インフルエンザの流行様式そのものが変化している可能性
を示しているとも言えるでしょう。
第2章:以前のインフルB流行と今年の違い
インフルエンザB型の流行自体は、実は珍しいものではありません。
これまでのシーズンでも、A型の流行が一段落したあとにB型が増えるという流れは何度も見られてきました。
しかし今年は、その「規模」と「タイミング」がこれまでとは明らかに異なっています。
ここでは、過去のインフルB流行と今年の違いを整理してみます。
■ これまでの典型的な流行パターン
従来のインフルエンザ流行は、
- 初冬〜年末:A型中心
- 年明け〜春:B型が増加
という二段階の流れが一般的でした。
B型は、A型の流行が落ち着いたあと
2月後半〜3月頃に緩やかに増える
ことが多く、流行のピークも比較的小規模でした。
そのため、
「A型の大流行が終わった後に、やや小さなB型の波が来る」
というのがこれまでの典型的なシーズンです。
■ 今年は「2回目の大きなピーク」
今年の特徴は、
B型流行の規模が大きいことです。
秋から初冬にかけてA型で大きな流行が起き、
いったん患者数が減少しました。
しかしその後、
B型の増加によって再び患者数が急増し、
真冬の2月に再度警報レベルに達しました。
これまでのB型流行は
「追加の小さな波」であることが多かったのに対し、
今年は
もう一度大きなピークが来た
という点が大きく異なります。
同一シーズン中に、
流行が一度落ち着いたあと再び大規模に拡大するケースは
統計的にも非常に珍しいとされています。
■ 流行時期が早い
従来のB型流行は、
春先(3〜4月)にかけて増えることが一般的でした。
しかし今年は
1月〜2月という真冬の時期に急増しています。
つまり
A型の流行が完全に終わらないうちに
B型が本格的に広がった形です。
このため医療現場では、
- A型患者
- B型患者
が同時期に混在し、
流行が長く続いている印象
を強く受けています。
■ 免疫を持たない世代の増加
さらに今年の特徴として大きいのが、
感染に対する免疫の低下です。
コロナ禍の数年間、
インフルエンザはほとんど流行しませんでした。
その結果、特に
- 小児
- 若年層
では
A型にもB型にも感染したことがない
という世代が増えています。
つまり社会全体として、
インフルエンザに対する免疫が弱い状態になっており、
B型が広がりやすい環境が整ってしまいました。
これも、過去のB型流行より
規模が大きくなった要因のひとつです。
第3章:最新情報 2月16日発表 (厚生労働省)

2026年2月16日、厚生労働省は最新のインフルエンザ発生状況を公表しました。
この発表からも、現在の流行が「再拡大局面」に入っていることが明確になっています。
まず注目すべきは、患者数の増加です。
2月2日〜8日の1週間で、全国の定点医療機関から報告された患者数は
16万4,744人に達しました。
これは前週から5万人以上増加した数字です。
さらに、1医療機関あたりの平均患者数は
43.34人となり、
警報レベル(30人)を大きく上回る状態が続いています。
この数値は
2週連続で警報基準を超え、
しかも患者数は5週連続で増加しています。
一度減少していた患者数が、年明け以降に再び増加し、
現在は再び流行のピークに近い状況といえます。
■ 年明けからの再上昇が鮮明
昨年秋から初冬にかけて大きく流行したインフルエンザは、
一時的に患者数が減少していました。
しかし2026年に入ると状況は一変します。
- 第2週:10人台
- 第3週:11人台
- 第4週:16人台
- 第5週:30人超
- 第6週:43.34人
と、
5週連続で増加し、
再び警報レベルへと到達しました。
つまり現在は
「第2波」あるいは「再流行」
と呼べる局面に入っています。
■ 学級閉鎖・施設閉鎖も増加
患者増加に伴い、
学校や保育施設での影響も拡大しています。
学級閉鎖や休校などの措置を取った施設は
全国で1万件以上にのぼり、
社会活動にも影響が出始めています。
これは、単なる散発的な流行ではなく、
地域社会全体に広がる本格的な流行であることを示しています。
■ 専門家が指摘する「異例の状況」
厚生労働省のデータから見ても、
今年のインフルエンザは
- 秋から流行開始
- 一度減少
- 再び増加し警報レベルへ
という
通常とは異なる2峰性の流行
を示しています。
1シーズンで2度目の警報レベルとなるのは珍しく、
現在の流行が「例年とは違う動き」であることが
数字からも明らかになっています。
まとめ
今年のインフルエンザは、これまでの常識とは少し異なる動きを見せています。
秋に一度大きな流行が起きたあと、
通常なら落ち着くはずの真冬の2月に再び患者数が増加し、
再流行ともいえる状況となりました。
背景には、
A型に続くB型の拡大、
コロナ禍による免疫の低下、
人の移動や交流の回復など、
さまざまな要因が重なっています。
インフルエンザB型の流行自体は過去にもありましたが、
今年のように同一シーズン内で
再び警報レベルに達するほどの規模となるケースは
極めて珍しいといえるでしょう。
「一度流行したからもう大丈夫」
とは言えないのが、今年の特徴です。
今後も流行が続く可能性があり、
発熱や体調不良があれば早めに受診すること、
基本的な感染対策を続けることが重要です。
インフルエンザは今、
季節だけでは予測できない感染症へと変わりつつあります。
今年の動きをきっかけに、
これからは「流行は一度きりではない」という視点で、
体調管理や予防を考えていく必要があるのかもしれません。
KOY
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