
「インフルエンザって、ただの風邪じゃないの?」
「熱が出てつらいけど、数日で治るよね?」
多くの人がそう思っています。
しかし実は――インフルエンザで亡くなる人は毎年存在します。
日本でも流行の年には
数千人〜1万人以上が関連して亡くなると推計されています。
「え、そんなに?」
と驚く方も多いでしょう。
今回は
インフルエンザは本当に命に関わるのか?
そして
どんな人が危険なのか?
医療の現場の視点から解説します。
第1章:インフルエンザで亡くなることは実際にある

「インフルエンザで死ぬことなんてあるの?」
そう思う方は少なくありません。
確かに、ほとんどの人は
数日間の高熱やだるさを乗り越えれば回復します。
そのため「つらいけど治る病気」という印象が強いでしょう。
しかし実際には、
インフルエンザで亡くなる人は毎年存在しています。
日本では流行の規模によって差はありますが、
インフルエンザが原因、あるいは引き金となって
毎年数千人規模の方が亡くなっていると推計されています。
流行が大きい年には
1万人以上とされることもあり、
決して無視できる数字ではありません。
しかも亡くなるのは
「特別に体が弱い人だけ」ではありません。
もちろん多いのは高齢者ですが、
- 持病のある方
- 小さな子ども
- 妊婦
- そしてまれに健康な若い人
でも重症化することがあります。
特に注意したいのは、
インフルエンザは症状の進み方が速いという点です。
昨日まで普通に生活していた人が、
翌日には
- 呼吸が苦しい
- 意識がぼんやりする
- 食事も水分も取れない
といった状態になることもあります。
「ただの風邪だと思っていたら急に悪化した」
これは医療現場では決して珍しい話ではありません。
つまりインフルエンザは
誰もがかかる可能性があり
誰でも重症化する可能性がある感染症
なのです。
第2章:なぜインフルエンザで命を落とすのか

ではなぜ、インフルエンザは
ときに命に関わるほど重症化するのでしょうか。
単に「高熱が出るだけの病気」ではなく、
体の中でさまざまな危険な変化が起きるからです。
ここでは、主な原因を分かりやすく解説します。
① 重症肺炎になることがある
インフルエンザウイルスは、
鼻や喉だけでなく肺まで感染します。
肺に強い炎症が起こると
- 呼吸が苦しくなる
- 酸素が取り込めなくなる
- 人工呼吸器が必要になる
といった状態になります。
さらに怖いのが
細菌性肺炎の合併です。
インフルエンザで弱った肺に
- 肺炎球菌
- 黄色ブドウ球菌
などの細菌が感染すると、
急激に悪化します。
これは「二次性肺炎」と呼ばれ、
インフルエンザ関連死の大きな原因の一つです。
② 脳炎・脳症(特に子ども)
子どもで注意が必要なのが
インフルエンザ脳症です。
これはウイルス感染によって
脳に強い炎症が起こる状態で、
- けいれん
- 意識障害
- 呼びかけに反応しない
- 急激なぐったり感
といった症状が現れます。
特徴は、
進行が非常に速いこと。
朝は元気だった子が
夜には重症化するケースもあります。
現在は医療の進歩で救命率は上がりましたが、
今でも毎年報告されている重い合併症です。
③ 持病が一気に悪化する
高齢者や持病のある方では、
インフルエンザそのものよりも
持病の悪化が命取りになる
ことが多くあります。
例えば
- 心臓病 → 心不全悪化
- COPD → 呼吸状態悪化
- 糖尿病 → 血糖コントロール悪化
- 脳血管疾患 → 脳梗塞リスク上昇
などです。
インフルエンザは
全身に強い炎症を起こすため、
体のバランスが一気に崩れる
これが重症化の大きな理由です。
④ 体力を一気に奪う感染症
インフルエンザは
単なる「風邪」よりもはるかに強く、
- 高熱(38〜40℃)
- 強いだるさ
- 食欲低下
- 脱水
を引き起こします。
特に高齢者では
これだけで
- 動けなくなる
- 食事が取れない
- 体力が急激に落ちる
といった状態になります。
そしてそこから
肺炎や心不全へ進むケースも多いのです。
第3章:特に注意が必要な人とは?

インフルエンザは、
誰でもかかる可能性のある感染症です。
しかしその中でも
重症化しやすい人がいることが分かっています。
ここを知っておくことは、
自分や家族の命を守るうえでとても大切です。
① 高齢者(65歳以上)
最も注意が必要なのは高齢者です。
年齢を重ねると
- 免疫力の低下
- 体力の低下
- 持病の増加
が重なり、
感染症に弱くなります。
インフルエンザにかかると
- 肺炎を起こしやすい
- 回復まで時間がかかる
- 寝たきりのきっかけになる
といったリスクがあります。
実際、日本でのインフルエンザ関連死亡の多くは
高齢者が占めています。
「高齢者の冬の感染症は命に関わる」
これは医療現場の共通認識です。
② 小さな子ども
子どもは回復が早いイメージがありますが、
インフルエンザに関しては注意が必要です。
特に怖いのが
インフルエンザ脳症
です。
- 突然ぐったりする
- けいれん
- 意識障害
といった症状が急激に現れることがあります。
また、子どもは
- 高熱による脱水
- 食事が取れない
- 体力消耗
が早く進むのも特徴です。
「子どもだから大丈夫」
ではなく、
急変することがある
という視点が大切です。
③ 持病がある方
次のような持病がある方は、
インフルエンザで重症化しやすいとされています。
- 心臓病
- 糖尿病
- 呼吸器疾患(喘息・COPDなど)
- 腎臓病
- がん治療中
- 免疫抑制状態
インフルエンザにかかることで
- 心不全悪化
- 血糖コントロール悪化
- 呼吸状態悪化
などが起こり、
一気に体調が崩れることがあります。
④ 妊婦
妊娠中は体の免疫バランスが変化します。
そのため
- 肺炎になりやすい
- 重症化しやすい
ことが知られています。
また、高熱や脱水は
母体だけでなく胎児にも影響するため、
早めの対応が重要です。
⑤ 健康な若い人でも油断は禁物
「自分は若いから大丈夫」
そう思う方も多いでしょう。
確かに重症化の割合は低いですが、
ゼロではありません。
- 急激な肺炎
- 脳症
- 劇症型の経過
など、健康な若者でも
重症化する例は毎年報告されています。
特に
- 強い高熱が続く
- 呼吸が苦しい
- 水分が取れない
- 異常なだるさ
こうした症状がある場合は
年齢に関係なく注意が必要です。
第4章:命を守るためにできること

インフルエンザは確かに怖い病気ですが、
正しい対策を知っていれば
重症化や死亡のリスクは大きく下げることができます。
ここでは、今日からできる大切なポイントを紹介します。
① ワクチン接種は「重症化を防ぐ」ため
インフルエンザ対策で最も有効なのが
ワクチン接種です。
「ワクチンを打ってもかかるじゃないか」
と思う方もいるかもしれません。
確かに感染を完全に防ぐことはできません。
しかしワクチンの本当の目的は
かからないこと
ではなく
重症化しないこと
です。
ワクチンを打つことで
- 入院リスク
- 肺炎リスク
- 死亡リスク
が大きく下がることが分かっています。
特に
- 高齢者
- 持病がある方
- 子ども
- 医療・介護従事者
は毎年の接種が推奨されています。
② 「いつもと違う」は受診のサイン
インフルエンザは
早めの対応がとても重要です。
特に次の症状があれば、
早めに医療機関へ相談しましょう。
- 高熱が続く
- 呼吸が苦しい
- 水分が取れない
- 強いだるさ
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりする
抗インフルエンザ薬は
発症早期ほど効果が高いとされています。
また、高齢者や子どもでは
「様子を見る」ことが危険な場合もあります。
迷ったら受診。
これはとても大切な判断です。
③ 家庭内感染を防ぐ
インフルエンザは非常に感染力が強く、
家庭内で一気に広がることがあります。
家庭でできる基本対策は
- 手洗い・うがい
- マスク着用
- 部屋の換気
- タオルの共用を避ける
- 十分な睡眠と栄養
特に発症した人は
無理して出勤・登校しない
これが周囲を守る最大の行動です。
④ 無理をしないことが最大の予防
「仕事が忙しいから」
「これくらい大丈夫」
そう思って無理をすると、
体力が落ちて重症化しやすくなります。
インフルエンザにかかったら
- しっかり休む
- 水分をとる
- 解熱後も無理しない
これが回復への近道です。
そして何より
体調が悪いときは休む勇気
これが、自分と周囲の命を守ります。
まとめ

インフルエンザは、
多くの人にとって身近な冬の感染症です。
しかしその一方で、
毎年多くの人が重症化し、
命を落としているのも事実です。
- 重症肺炎
- 脳症
- 持病の悪化
こうした合併症が起これば、
健康な人でも危険な状態になることがあります。
特に
- 高齢者
- 小さな子ども
- 持病のある方
- 妊婦
は注意が必要です。
だからこそ
「ただの風邪」と軽く考えず、
- ワクチン接種
- 早めの受診
- しっかり休む
- 周囲にうつさない
といった基本的な対策が、
自分や家族の命を守ることにつながります。
KOY
KOYblog:KOYblog:タミフルって安全?、インフルエンザとインフルエンサーって違う??、インフルエンザで手術は中止?、インフルエンザ2025
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