
毎年冬になると猛威をふるうインフルエンザ。今シーズン(2025-2026年)は、例年とは少し違った動きを見せました。
流行の立ち上がりが異例に早く、多くの方が不安を感じたのではないでしょうか。
しかし3月中旬を迎えた今、ようやく落ち着きの兆しが見えてきています。
本記事では、最新の感染動向データをもとに、今シーズンのインフルエンザがどのような経過をたどったのか、そして今後の注意点について整理してみたいと思います。

今シーズンの特徴――9月から始まった異例の流行

通常、インフルエンザの流行は11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月から2月にピークを迎えるのが一般的なパターンです。
しかし2025-2026シーズンは、2025年9月の時点で全国の定点あたり報告数が流行開始の目安となる「1.0」を突破。
これは過去10年以上で最も早い立ち上がりとなりました。
夏場からじわじわと感染者が増え始めたこの動きは、多くの専門家も注視しており、早期のワクチン接種が呼びかけられました。

データで見る流行のピークと減少
具体的な数字で今シーズンの推移を確認してみましょう。名古屋市の定点あたり報告数の推移を例に見ると、流行の山とその後の急速な減少が明確に読み取れます。
■ 名古屋市 インフルエンザ定点あたり報告数の推移(2026年)
定点あたり
50 ┤
45 ┤ ██
40 ┤ ██ ██ ██
35 ┤ ██ ██ ██
30 ┤ ██ ██ ██ ██ ██
25 ┤ ██ ██ ██ ██ ██
20 ┤ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██
15 ┤ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██
10 ┤ ── ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ── ── ←警報基準(30)
5 ┤ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██ ██
0 ┼──────────────────────────────
第4 5 6 7 8 9 10 11 (週)
第4週(1月下旬) : 18.92
第5週(2月上旬) : 32.24 ← 警報レベル突破
第6週(2月中旬) : 46.46 ★ ピーク
第7週(2月下旬) : 38.56
第8週(2月下旬) : 30.86
第9週(3月上旬) : 21.50
第10週(3月上旬) : 10.46 ← 警報レベル以下に
第11週(3月中旬) : 8.02
※出典:名古屋市公式ウェブサイト
第6週(2月2日〜8日)に46.46という高い数値を記録した後、わずか5週間で8.02まで低下しています。ピーク時の約6分の1にまで減少した計算です。
東京都でも同様の傾向が確認されており、第11週の時点で警報基準を下回ったことが報告されています。東京都では1月29日に注意報基準を超え、2月5日には警報基準に達しましたが、その後着実に減少し、現在は落ち着きつつある状況です。
今シーズンの流行型――A香港型が主流

今シーズンの流行型にも特徴がありました。東京都感染症情報センターの集計によると、2025-2026シーズンの検出状況は以下の通りです。
■ 東京都 インフルエンザ ウイルス検出状況(累計616件)
A香港型(AH3亜型) ████████████████████ 436件(70.8%)
B型(Victoria系統) ██████ 167件(27.1%)
AH1pdm09 █ 13件( 2.1%)
A香港型が全体の約7割を占め、圧倒的な主流となりました。一方でB型Victoria系統も約27%と一定の割合で検出されており、年明け以降にB型が増加する場面も見られました。異なる型による再感染のリスクもあるため、一度かかったからといって油断は禁物です。
学校・保育所での集団発生

今シーズンは学校や保育所での集団発生も目立ちました。東京都では累計で9,303件の集団発生が報告されています。内訳を見ると、小学校が4,206件と最も多く、保育所の2,736件が続いています。
学級閉鎖のニュースが連日報じられた時期もあり、お子さんをお持ちのご家庭では特にご苦労された方も多かったのではないでしょうか。B型による学級閉鎖が話題になったことも、今シーズンの特徴的な出来事でした。
「減ってきた」今だからこそ気をつけたいこと

定点あたりの報告数が大幅に減少し、流行のピークは確実に過ぎました。しかし、まだ完全に収束したわけではありません。3月中旬の時点でも定点あたり8前後の報告があり、これはまだ一定数の患者が発生していることを意味します。
以下の点には引き続き注意が必要です。
1. 型の異なる再感染に注意
今シーズンはA香港型とB型の両方が流行しています。A型にかかった方がその後B型に感染するケースも報告されています。一度罹患したからといって安心せず、基本的な感染対策を続けましょう。
2. 季節の変わり目の体調管理
3月は気温差が大きく、体調を崩しやすい時期です。免疫力が低下していると、インフルエンザだけでなく他の感染症にもかかりやすくなります。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。
3. 基本的な感染対策の継続
手洗い・うがい・換気といった基本的な対策は、インフルエンザに限らずあらゆる感染症の予防に有効です。流行が落ち着いてきた今こそ、改めて日常の習慣として定着させるよい機会かもしれません。
まとめ
2025-2026シーズンのインフルエンザは、9月という異例の早さで流行が始まり、2月上旬に大きなピークを迎えました。しかし3月中旬の現在、報告数はピーク時の6分の1以下にまで減少し、確実に収束に向かっています。
今シーズンの主な流行型はA香港型で全体の約7割を占め、B型Victoria系統も約27%と一定の存在感を示しました。学校での集団発生も多く、社会的な影響も大きいシーズンでした。
ピークを過ぎたとはいえ、まだゼロではありません。春の訪れとともにインフルエンザの季節も終わりに近づいていますが、最後まで基本的な感染対策を忘れずに、健やかな春を迎えましょう。
※本記事のデータは、厚生労働省、東京都感染症情報センター、名古屋市の公表資料に基づいています(2026年3月15日時点)。最新の情報は各機関の公式サイトをご確認ください。
参考リンク:
KOY BLOG:
(内部リンク)
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