
「包茎手術はどれくらい行われているのでしょうか?」
テレビCMやインターネット広告では頻繁に目にするものの、実際に年間何件の手術が行われているのかを知っている人は多くありません。
「そんなに多いの?」「本当に一般的なの?」と疑問に思ったことがある方もいるのではないでしょうか。
医療の世界では、数字はとても重要です。
印象やイメージではなく、実際のデータを知ることで、その治療がどの程度行われているのか、社会の中でどのような位置づけにあるのかが見えてきます。
今回は、包茎手術の年間件数について、保険診療と自費診療の違いも含めながら、できるだけ客観的に解説していきます。
第1章:病院における包茎手術の件数は

「病院で行われる包茎手術は、年間どれくらいあるのか?」を“根拠のある数字”で考えるなら、いちばん信頼できる入り口は NDB(レセプト情報・特定健診等情報データベース) の公開集計である NDBオープンデータ です。
NDBオープンデータでは、保険診療として請求された医療行為が集計されており、包茎手術は診療報酬上 K828(包茎手術) に整理されています(内訳として 背面切開術 と 環状切除術 が並びます)。
(※K828の手技区分そのものは診療報酬点数表上でも確認できます。)
病院(保険診療)での年間件数:全国合計(令和4年度)
NDBオープンデータ(第9回、2022年4月〜2023年3月)における K828 包茎手術 の算定回数は、次の通りです(外来+入院の合算)。
- 包茎手術(背面切開術):
- 外来 824件 + 入院 906件 = 計 1,730件/年
- 包茎手術(環状切除術):
- 外来 2,170件 + 入院 3,779件 = 計 5,949件/年
- 包茎手術(K828)合計:
7,679件/年
この数字が示しているのは、あくまで 保険診療としてレセプト請求された“算定回数” です。
つまり、
- 美容クリニック等での自由診療の包茎手術(自費)は、この集計に基本的に入ってきません
第2章:クリニックにおける手術件数は?

病院(保険診療)と違い、包茎手術の多くは自由診療(自費)で行われるため、「全国で年間○○件」と公的にまとまった統計が ほぼ存在しません。
理由はシンプルで、自由診療はレセプト(保険請求)に乗らないので、NDBのような全国データベースでは把握しにくいからです。したがって、クリニック領域の件数は “推定” になります。
1)クリニック件数の推定が難しい理由
自由診療の手術は、国の統計で一括集計される仕組みが弱く、実態は「各クリニックの公表情報」「業界推計」「周辺データ」から推定する形になります。
この“見えにくさ”は包茎手術に限らず、美容医療全般で問題になりやすく、行政側も美容医療の実態把握や課題整理を行っています。
2)分かる範囲の“手がかり”:大手チェーンの公表実績
一部の大手は、手術(治療)実績を「累計」や「期間付き」で公表しています。
たとえば、メンズライフクリニック関連の情報では「2010年からの手術実績10万件以上」といった形で提示されており、仮に2010年→現在までで単純平均すると、年あたり数千件規模が見込まれます(※あくまで平均計算で、年ごとの増減は不明)。
また、地域比較記事などでは、複数の大手について「治療実績10万件以上」「総来院者数○万人」などの数字が並びます。ただし注意点として、“来院者数=手術件数”ではないため、来院データはそのまま手術件数には置き換えられません。
3)業界全体の推定:年間10万〜15万件というレンジ
ネット上の解説記事や業界分析(クリニックブログ/市場分析系のまとめ)では、病院での保険手術が数千件規模である一方、自由診療を含めた包茎手術は全国で年間10万〜15万件程度という推定がしばしば示されます。
ただし、この「10万〜15万件」は、厚労省などの公的統計が直接出している数字ではなく、クリニック側の実績公表や業界規模からの推定として扱うのが安全です。記事では「推定」「参考値」と明記し、断定は避けるのが誠実です。
4)“件数が多い”ことを裏づける周辺データ(相談件数)
件数そのものではありませんが、自由診療の包茎手術を含む男性美容医療はトラブル相談も一定数あり、国民生活センターは包茎手術を含む相談を取り上げて注意喚起を行っています。相談件数は「手術件数」とイコールではないものの、自由診療として一定規模で行われていることを示す周辺材料になります。
クリニック(自由診療)で行われる包茎手術は、保険統計では把握しにくく、全国の正確な年間件数を示す公的データは限られます。
一方で、大手クリニックが「累計10万件以上」などの実績を公表していることや、業界推計として「年間10万〜15万件程度」というレンジが語られていることから、
自由診療を含めた包茎手術は病院の保険手術(年間数千件規模)より桁違いに多い可能性が高いと考えられます。
まとめ:包茎手術は年に何件くらい行われているのか
包茎手術の年間件数は、「病院(保険診療)」と「クリニック(自由診療)」で、見える数字の性質がまったく違います。
まず病院で行われる包茎手術は、診療報酬(K828)として保険請求されるため、公的データ(NDBオープンデータ)から実数に近い形で把握できます。令和4年度(2022年度)の集計では、全国で年間約7,679件が算定されています。
つまり、保険診療としての包茎手術は「年間数千件規模」です。
一方で、包茎手術の多くは自由診療で行われており、この領域は保険データに載らないため、全国の正確な件数を示す“公式統計”はほぼありません。ですが、大手クリニックの実績公表や業界推計では、自由診療を含めた包茎手術が年間10万〜15万件程度というレンジで語られることが多く、病院の件数よりも桁違いに多い可能性が示唆されます。
結論として、
- 病院(保険診療)で見える包茎手術は年間数千件
- 世の中全体(自費を含む)は、推定で年10万件規模に達する可能性
という二層構造を理解することが大切です。
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(※内部リンク:包茎は何が悪い?放置していい人・治療が必要な人を外科医師が解説)
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(※内部リンク:包茎手術の流れと費用|手術時間・痛み・保険適用まで医師が解説)
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(※内部リンク:包茎で将来困る?手術をすべき?~よくある誤解をQ&Aで整理~ 前編
包茎で将来困る?手術をすべき?~よくある誤解をQ&Aで整理~ 後編)
参考: