
夜中、突然「足の親指」がズキッ——。
布団が触れるだけで飛び上がるほど痛くて、歩くどころか立ち上がるのもつらい。赤く腫れて、熱をもっている感じがする。そんな経験があるなら、「痛風発作」かもしれません。
痛風というと「お酒を飲む人の病気」「贅沢病」というイメージがあるかもしれません。
でも実際は、体質や生活習慣が重なって起こることが多く、決して珍しい病気ではありません。そして厄介なのは、痛みが引くと「治った」と思って放置してしまいやすい点です。
放っておくと再発を繰り返したり、腎臓や尿路結石など別のトラブルにつながることもあります。
この記事では、痛風がなぜ起こるのか、発作が出たときにまず何をすればいいのか、そして再発を減らすために今日からできる対策を、できるだけわかりやすく整理して解説します。
「もしかして痛風?」と不安な方も、「尿酸値が高いと言われたけど何をしたらいいかわからない」という方も、読み終わるころに次の一歩が見える内容にしていきます。
第2章:痛風って何?(尿酸と“結晶”の話)

痛風は、血液中の尿酸が増えすぎて、それが**針のような結晶(尿酸塩結晶)**になり、関節の中にたまることで起こります。
その結晶を体の免疫が「異物だ!」と攻撃すると、強い炎症=痛風発作になります。
よく起こる場所は、
- 足の親指の付け根(いちばん多い)
- 足首、膝
- 手の指、肘 など
「尿酸=悪者」と思われがちですが、尿酸はもともと体内でできる物質です。問題は、作られる量と、排泄される量のバランスが崩れて“多すぎる状態”が続くことです。
第3章:どんな人がなりやすい?(原因は“体質+生活”)
痛風は、ざっくり言うと 体質(遺伝)に生活習慣が乗ることで起こりやすくなります。
起こりやすい要因はこんな感じです。
1) 尿酸が増えやすい・たまりやすい
- 体重増加(内臓脂肪が多い)
- お酒をよく飲む(量・頻度が多い)
- 甘い飲み物(糖分の多いジュース等)をよく飲む
- 急なダイエット、激しい運動の後
- ストレスや寝不足
2) 尿酸を出しにくい(排泄が落ちる)
- 腎機能が落ちている
- 脱水(水分不足)
- 一部の薬の影響 など
そして痛風の人は、高血圧・脂質異常・糖尿病などの生活習慣病を一緒に持っていることも多いです。
痛風は「関節だけの病気」ではなく、体全体のサインだと思うと理解しやすいです。
第4章:発作が起きたときの対処(まず“火消し”)
発作中は、関節の中で炎症が激しく起きている状態。
このタイミングで大事なのは、炎症を抑えて痛みを軽くすることです。
自分でできること
- 安静:痛い関節に体重をかけない
- 冷やす:保冷剤などで短時間ずつ(冷やしすぎ注意)
- 水分をとる:脱水は悪化要因になりやすい
早めに受診したほうがいい理由
痛風に似た症状で、見落としたくないのが**感染(化膿性関節炎)**です。
次のようなときは、特に早めに医療機関へ。
- 発熱がある、寒気がする
- どんどん悪化する
- 免疫が弱い(抗がん剤治療中、ステロイド内服中など)
- 初めての発作で原因がはっきりしない
※痛風治療は「発作を抑える薬」と「尿酸を下げる薬」で考え方が違います。
自己判断で薬を始めたり、やめたりするのは避けて、主治医の方針に合わせるのが安全です。
第5章:再発を減らす生活(“プリン体だけ”に偏らない)

「痛風=プリン体を減らす」だけで終わると、対策がズレやすいです。
ポイントは 尿酸が増える要因と、出ていく要因を両方整えること。
1) まずは水分(脱水を避ける)
- こまめに飲む(特に運動後、入浴後、飲酒後)
- 濃い尿が続く人は要注意
2) 体重(ゆっくり落とす)
- 体重増加は尿酸を上げやすい
- ただし急激な減量は逆効果になることもあるので、ゆっくりがコツ
3) お酒(種類より“量と頻度”)
- 「週末だけ大量」もリスク
- ビールだけが悪者、というより飲む量・回数が効いてきます
4) 食事(“引き算”より“整える”)
- プリン体の多い食品を「ゼロ」にするより、食べ過ぎない・偏らないが続きます
- 野菜・海藻・きのこなどを増やし、主食とタンパク源の量を整える
- 甘い飲み物(糖分の多いジュース等)が多い人は、ここが改善ポイントになりやすいです
| 優先度 | 避ける・減らすべきもの | 具体例 | なぜ注意? | コツ(読みやすい一言) |
|---|---|---|---|---|
| A:最優先 | アルコール(量・頻度) | ビール、発泡酒、地ビール/日本酒、ワイン、焼酎(種類問わず飲み過ぎ) | 尿酸が上がりやすく、脱水にもつながる | 種類より「量と回数」。週末の“まとめ飲み”もNG |
| A:最優先 | 甘い飲み物(果糖が多いもの) | 清涼飲料水、スポドリ、エナドリ、加糖コーヒー・紅茶、果汁100%ジュース(飲み過ぎ) | 果糖は尿酸を上げやすい | 飲み物は水・お茶中心に切り替える |
| B:できれば控える | 内臓類(プリン体多め) | レバー(鶏/豚/牛)、ハツ、モツ、白子 | プリン体が多く尿酸が上がりやすい | 「たまに少量」にするのが現実的 |
| B:できれば控える | 一部の魚介・珍味 | あん肝、いくら、たらこ、魚卵系 | プリン体が多いものがある | “連日”を避けて頻度を下げる |
| B:できれば控える | 濃い出汁・煮詰め系 | ラーメンスープ完飲、煮干し出汁を大量に飲む、鍋のスープを飲み干す | 成分が濃くなりやすい | スープは残すが最強の対策 |
| B:できれば控える | 肉のドカ食い(量が多い) | 毎日大盛り肉料理、焼肉の食べ過ぎ | 量が多いと尿酸・体重増につながる | 肉はOK、「量と頻度」調整で勝てる |
| C:人によって注意 | 高脂肪・高カロリー食 | 揚げ物、こってり系、スナック菓子 | 体重増→尿酸↑につながりやすい | 「毎日」をやめるだけで変わる |
| C:人によって注意 | 夜食・大盛り・早食い | 夜遅いドカ食い、炭水化物+揚げ物セット | 食べ過ぎが続くと尿酸管理が崩れやすい | 腹八分+ゆっくりが地味に効く |
| C:人によって注意 | 急激なダイエット | 断食、極端な糖質制限、短期の激減量 | 一時的に尿酸が上がることがある | 減量はゆっくりが安全運転 |
第6章:受診・検査・治療の全体像(痛みがない時こそ本番)

発作が落ち着くと「治った!」と思いがちですが、実はそこからが大事。
尿酸が高い状態が続くと、また結晶がたまり、発作を繰り返す可能性が上がります。
医療機関では一般に、
- 尿酸値
- 腎機能
- 合併症(血圧、脂質、血糖など)
- 尿路結石の有無 など
を見ながら、治療方針を立てます。
治療は大きく2つの柱です。
① 発作を抑える治療(今の痛みを減らす)
炎症を抑える薬を中心に、症状・体質・持病に合わせて選びます。
② 尿酸を下げる治療(再発予防)
尿酸を下げて結晶がたまりにくい状態を作る治療です。
ここは「続けるほど効く」タイプなので、生活改善とセットで考えると効果が出やすいです。
第7章:まとめ(読者が今日からできること)
- 痛風は、尿酸が増えすぎて結晶がたまり、免疫反応で激痛が起きる病気
- 発作時はまず安静・冷却・水分、そして早めの受診が安心
- 予防は「プリン体だけ」ではなく、体重・飲酒・脱水・食生活のバランスがカギ
- 痛みが引いても終わりではなく、**再発予防(尿酸コントロール)**が本番
もし「尿酸値が高いと言われた」「発作を繰り返している」なら、できるところからで大丈夫。
体はちゃんと変わります。焦らず、一歩ずついきましょう。
当ブログ:CT/たまたま見つかる病気、タミフル