足の親指が突然激痛…それ痛風かも?~ビールだけが悪者じゃない原因と対処を医師が解説~

夜中、突然「足の親指」がズキッ——。


布団が触れるだけで飛び上がるほど痛くて、歩くどころか立ち上がるのもつらい。赤く腫れて、熱をもっている感じがする。そんな経験があるなら、「痛風発作」かもしれません。

痛風というと「お酒を飲む人の病気」「贅沢病」というイメージがあるかもしれません。

でも実際は、体質や生活習慣が重なって起こることが多く、決して珍しい病気ではありません。そして厄介なのは、痛みが引くと「治った」と思って放置してしまいやすい点です。

放っておくと再発を繰り返したり、腎臓や尿路結石など別のトラブルにつながることもあります。

この記事では、痛風がなぜ起こるのか、発作が出たときにまず何をすればいいのか、そして再発を減らすために今日からできる対策を、できるだけわかりやすく整理して解説します。

「もしかして痛風?」と不安な方も、「尿酸値が高いと言われたけど何をしたらいいかわからない」という方も、読み終わるころに次の一歩が見える内容にしていきます。

痛風:Wiki

第2章:痛風って何?(尿酸と“結晶”の話)

痛風は、血液中の尿酸が増えすぎて、それが**針のような結晶(尿酸塩結晶)**になり、関節の中にたまることで起こります。
その結晶を体の免疫が「異物だ!」と攻撃すると、強い炎症=痛風発作になります。

よく起こる場所は、

  • 足の親指の付け根(いちばん多い)
  • 足首、膝
  • 手の指、肘 など

「尿酸=悪者」と思われがちですが、尿酸はもともと体内でできる物質です。問題は、作られる量と、排泄される量のバランスが崩れて“多すぎる状態”が続くことです。

第3章:どんな人がなりやすい?(原因は“体質+生活”)

痛風は、ざっくり言うと 体質(遺伝)に生活習慣が乗ることで起こりやすくなります。

起こりやすい要因はこんな感じです。

1) 尿酸が増えやすい・たまりやすい

  • 体重増加(内臓脂肪が多い)
  • お酒をよく飲む(量・頻度が多い)
  • 甘い飲み物(糖分の多いジュース等)をよく飲む
  • 急なダイエット、激しい運動の後
  • ストレスや寝不足

2) 尿酸を出しにくい(排泄が落ちる)

  • 腎機能が落ちている
  • 脱水(水分不足)
  • 一部の薬の影響 など

そして痛風の人は、高血圧・脂質異常・糖尿病などの生活習慣病を一緒に持っていることも多いです。
痛風は「関節だけの病気」ではなく、体全体のサインだと思うと理解しやすいです。

第4章:発作が起きたときの対処(まず“火消し”)

発作中は、関節の中で炎症が激しく起きている状態。
このタイミングで大事なのは、炎症を抑えて痛みを軽くすることです。

自分でできること

  • 安静:痛い関節に体重をかけない
  • 冷やす:保冷剤などで短時間ずつ(冷やしすぎ注意)
  • 水分をとる:脱水は悪化要因になりやすい

早めに受診したほうがいい理由

痛風に似た症状で、見落としたくないのが**感染(化膿性関節炎)**です。
次のようなときは、特に早めに医療機関へ。

  • 発熱がある、寒気がする
  • どんどん悪化する
  • 免疫が弱い(抗がん剤治療中、ステロイド内服中など)
  • 初めての発作で原因がはっきりしない

※痛風治療は「発作を抑える薬」と「尿酸を下げる薬」で考え方が違います。
自己判断で薬を始めたり、やめたりするのは避けて、主治医の方針に合わせるのが安全です。

第5章:再発を減らす生活(“プリン体だけ”に偏らない)

「痛風=プリン体を減らす」だけで終わると、対策がズレやすいです。
ポイントは 尿酸が増える要因と、出ていく要因を両方整えること。

1) まずは水分(脱水を避ける)

  • こまめに飲む(特に運動後、入浴後、飲酒後)
  • 濃い尿が続く人は要注意

2) 体重(ゆっくり落とす)

  • 体重増加は尿酸を上げやすい
  • ただし急激な減量は逆効果になることもあるので、ゆっくりがコツ

3) お酒(種類より“量と頻度”)

  • 「週末だけ大量」もリスク
  • ビールだけが悪者、というより飲む量・回数が効いてきます

4) 食事(“引き算”より“整える”)

  • プリン体の多い食品を「ゼロ」にするより、食べ過ぎない・偏らないが続きます
  • 野菜・海藻・きのこなどを増やし、主食とタンパク源の量を整える
  • 甘い飲み物(糖分の多いジュース等)が多い人は、ここが改善ポイントになりやすいです

優先度避ける・減らすべきもの具体例なぜ注意?コツ(読みやすい一言)
A:最優先アルコール(量・頻度)ビール、発泡酒、地ビール/日本酒、ワイン、焼酎(種類問わず飲み過ぎ)尿酸が上がりやすく、脱水にもつながる種類より「量と回数」。週末の“まとめ飲み”もNG
A:最優先甘い飲み物(果糖が多いもの)清涼飲料水、スポドリ、エナドリ、加糖コーヒー・紅茶、果汁100%ジュース(飲み過ぎ)果糖は尿酸を上げやすい飲み物は水・お茶中心に切り替える
B:できれば控える内臓類(プリン体多め)レバー(鶏/豚/牛)、ハツ、モツ、白子プリン体が多く尿酸が上がりやすい「たまに少量」にするのが現実的
B:できれば控える一部の魚介・珍味あん肝、いくら、たらこ、魚卵系プリン体が多いものがある“連日”を避けて頻度を下げる
B:できれば控える濃い出汁・煮詰め系ラーメンスープ完飲、煮干し出汁を大量に飲む、鍋のスープを飲み干す成分が濃くなりやすいスープは残すが最強の対策
B:できれば控える肉のドカ食い(量が多い)毎日大盛り肉料理、焼肉の食べ過ぎ量が多いと尿酸・体重増につながる肉はOK、「量と頻度」調整で勝てる
C:人によって注意高脂肪・高カロリー食揚げ物、こってり系、スナック菓子体重増→尿酸↑につながりやすい「毎日」をやめるだけで変わる
C:人によって注意夜食・大盛り・早食い夜遅いドカ食い、炭水化物+揚げ物セット食べ過ぎが続くと尿酸管理が崩れやすい腹八分+ゆっくりが地味に効く
C:人によって注意急激なダイエット断食、極端な糖質制限、短期の激減量一時的に尿酸が上がることがある減量はゆっくりが安全運転

第6章:受診・検査・治療の全体像(痛みがない時こそ本番)

発作が落ち着くと「治った!」と思いがちですが、実はそこからが大事。
尿酸が高い状態が続くと、また結晶がたまり、発作を繰り返す可能性が上がります。

医療機関では一般に、

  • 尿酸値
  • 腎機能
  • 合併症(血圧、脂質、血糖など)
  • 尿路結石の有無 など

を見ながら、治療方針を立てます。

治療は大きく2つの柱です。

① 発作を抑える治療(今の痛みを減らす)

炎症を抑える薬を中心に、症状・体質・持病に合わせて選びます。

② 尿酸を下げる治療(再発予防)

尿酸を下げて結晶がたまりにくい状態を作る治療です。
ここは「続けるほど効く」タイプなので、生活改善とセットで考えると効果が出やすいです。

第7章:まとめ(読者が今日からできること)

  • 痛風は、尿酸が増えすぎて結晶がたまり、免疫反応で激痛が起きる病気
  • 発作時はまず安静・冷却・水分、そして早めの受診が安心
  • 予防は「プリン体だけ」ではなく、体重・飲酒・脱水・食生活のバランスがカギ
  • 痛みが引いても終わりではなく、**再発予防(尿酸コントロール)**が本番

もし「尿酸値が高いと言われた」「発作を繰り返している」なら、できるところからで大丈夫。
体はちゃんと変わります。焦らず、一歩ずついきましょう。

当ブログ:CT/たまたま見つかる病気タミフル