首相が抱える関節リウマチって何? 患者数100万人の“珍しくない病気”

高市早苗首相が、自身の「関節リウマチ」を公表しました。


このニュースを見て、「え、リウマチってそんな大変な病気なの?」「仕事は続けられるの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。

関節リウマチというと、
「高齢者の関節痛」
「手が変形してしまう病気」
そんな昔のイメージを持っている人も少なくありません。

しかし実際には、関節リウマチは働き盛りの世代にも発症する自己免疫疾患であり、日本だけでも数十万人以上が治療を受けながら日常生活や仕事を続けています。

そして医療の進歩によって、今では“適切に治療すれば普通に生活できる時代”になってきました。

今回、国のトップが病気を公表したことは、単なるニュース以上の意味を持っています。
関節リウマチとはどんな病気なのか。
治療はどこまで進んでいるのか。
そして、病気を抱えながら働くということはどういうことなのか。

医師の視点から、わかりやすく解説していきます。

第1章:関節リウマチとはどんな病気か

関節リウマチは、免疫の異常によって自分自身の関節を攻撃してしまう「自己免疫疾患」のひとつです。

本来、免疫は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るための仕組みですが、関節リウマチではこの免疫が誤作動を起こし、関節の滑膜(かつまく)という組織に炎症を引き起こします。

その結果、関節の腫れや痛みが慢性的に続き、進行すると骨や軟骨が破壊され、関節の変形や機能障害を起こすことがあります。

主な症状

関節リウマチの特徴的な症状には次のようなものがあります。

  • 手や足の関節の腫れ・痛み
  • 朝起きたときの「こわばり」(30分以上続くことも)
  • 左右対称に関節症状が出る
  • 倦怠感や微熱
  • 進行すると関節の変形や可動域制限

特に「朝のこわばり」は重要なサインで、単なる加齢による関節痛との違いを見分けるポイントになります。

実は珍しくない病気

関節リウマチは決して珍しい病気ではありません。
日本には約70〜100万人の患者さんがいるとされ、

女性に多く、30〜50代で発症するケースが目立ちます。

つまり、仕事や子育ての真っ最中に発症することも少なくないのです。

また、関節の病気というイメージが強いものの、実際には全身性の炎症性疾患でもあります。

重症化すると肺や血管などに影響を及ぼすこともあり、早期診断と適切な治療が非常に重要とされています。

かつては「進行して関節が変形してしまう怖い病気」という印象が強かった関節リウマチですが、現在は治療の進歩により、そのイメージは大きく変わりつつあります。

次の章では、関節リウマチ治療がどこまで進歩しているのかを解説していきます。

第2章:実は“治る時代”になっている

関節リウマチというと、
「関節が変形してしまう怖い病気」
「一度なったら治らない」
そんなイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし現在、関節リウマチ治療は大きく進歩し、早期に適切な治療を始めれば“寛解(症状がほぼない状態)”を目指せる時代になっています。

かつては痛み止めやステロイドで症状を抑える治療が中心でしたが、今は病気の原因となる免疫の異常そのものを抑える薬が次々に登場しています。

治療の中心は「免疫のコントロール」

現在の関節リウマチ治療では、炎症を引き起こす免疫の働きを抑え、関節破壊を防ぐことが目的になります。

代表的な治療には次のようなものがあります。

  • 抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)
  • 生物学的製剤(注射薬)
  • JAK阻害薬(内服薬)

これらの薬によって炎症をしっかり抑え込むことができれば、関節の破壊を防ぎ、日常生活をほぼ普通に送ることが可能になります。

早期治療がカギ

重要なのは「早く見つけて、早く治療する」ことです。

関節リウマチは、発症から早い段階で治療を開始すると関節破壊を防ぎやすく、長期的な予後が大きく変わります。逆に、長く放置すると炎症が続き、関節の変形や機能障害が進んでしまうことがあります。

現在は血液検査や画像検査の進歩により、比較的早期から診断できるようになってきました。
そのため、「関節が痛いけど年齢のせいかな」と我慢せず、早めに医療機関を受診することがとても大切です。

小早川整形リウマチクリニック

治療しながら普通に働ける時代へ

適切な治療を受けている患者さんの多くは、仕事や家事、子育てなどを続けながら生活しています。
症状をコントロールしながら社会で活躍することは、決して珍しいことではありません。

関節リウマチは、かつてのように「進行してしまうしかない病気」ではなく、コントロールしながら付き合っていける慢性疾患へと変わってきています。

この変化こそが、今回の公表をきっかけに多くの人に知ってほしいポイントのひとつと言えるでしょう。

第3章:それでも大変な病気

関節リウマチは治療の進歩によってコントロール可能な病気になってきました。
しかし、それでもなお患者さんにとって大変な病気であることに変わりはありません。

見た目では分かりにくい「つらさ」

関節リウマチの症状は、必ずしも外から見て分かるとは限りません。

  • 朝起きたときの強いこわばり
  • 手や足の細かな関節の痛み
  • 全身の倦怠感
  • 微熱やだるさ

これらの症状は日によって波があり、「今日は普通に動けるけど、明日はつらい」ということも珍しくありません。

周囲からは元気そうに見えるため、
「大丈夫そうだね」
「気のせいじゃない?」
と言われてしまうこともあり、精神的な負担につながることもあります。

痛みだけではない、全身の病気

関節リウマチは単なる関節痛の病気ではなく、全身性の炎症疾患です。
炎症が続くことで、疲労感や体力低下を感じる患者さんも少なくありません。

さらに、炎症が長期間続くと、肺や血管など他の臓器に影響が出ることもあり、継続的な治療と経過観察が重要になります。

「普通に見える」からこその苦労

現在は治療によって症状を抑えられる患者さんが増えていますが、それでも

  • 薬の継続
  • 定期的な通院
  • 体調の波との付き合い

といった日常の努力が必要です。

仕事や家庭生活を続けながら治療を続ける患者さんは多く、外からは分かりにくい苦労を抱えていることも少なくありません。

関節リウマチは、命に直結する病気ではないことが多い一方で、長く付き合っていく慢性疾患です。


だからこそ、周囲の理解と正しい知識がとても重要になります。

まとめ

関節リウマチは、かつて「進行してしまうしかない病気」と考えられていた時代がありました。
しかし現在は、早期発見と適切な治療によって症状をコントロールし、社会の中でこれまで通り活躍し続けることができる時代になっています。

今回、高市早苗首相が自身の関節リウマチを公表したことは、多くの人にとって大きな意味を持つ出来事でした。慢性疾患を抱えながらも、国のトップとして責務を果たしていく姿は、同じ病気と向き合う人にとって大きな励みになるはずです。

関節リウマチは、外からは分かりにくい痛みやこわばり、体調の波と付き合いながら生きていく病気です。だからこそ、社会全体が「病気を抱えながら働くこと」を自然に受け止められるようになることが大切です。

そしてこの公表をきっかけに、
「関節が痛いけれど我慢している」
「年齢のせいだと思っている」
そんな方が、自分の体と向き合うきっかけになれば意義はさらに大きくなります。

関節リウマチは、早く見つけて治療を始めれば、将来の生活の質を大きく守ることができます。
正しい知識を持ち、無理をしすぎず、必要な治療を受けること。

それが、病気と共に歩みながらも自分らしく生きていくための、最も大切な一歩になるでしょう。

KOY

KOYblog:永久脱毛のメカニズム!!長生きする人ほどしていること